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公的医療保険は大切な生活インフラ

私が「混合診療」の全面解禁を危惧するわけ

  • 内藤 眞弓

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2009年12月1日(火)

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 「医療崩壊」「救急車たらい回し」「お産のできる病院が近くにない」など、医療に対する不安を増幅させる言葉がマスメディアを賑わしています。このような医療の現状は、長期にわたって続けられた医療費抑制政策が原因だと指摘されています。1982年、行革路線に沿って医師数の抑制が閣議決定され、つい最近までその政策は継続されました。

 医療は製造業と異なり、技術が進歩すればするほど多くの人材を必要とします。昔であれば不治の病とされていたものが助かるようになり、治療は高度に複雑になっていきます。医師だけではなく高度な機器を扱う専門職や看護師などがチームを組んで治療にあたらなくてはなりません。ところが、チーム医療を行いたくてもそのための人材が不足していますし、今の診療報酬では人件費をねん出することが難しい状況です。

 収益を上げるために、できるだけ空きベッドをつくらないように患者を回転させると、救急患者に対応できません。そもそもどんな患者が来るか分からないのに、あらゆる科の専門医を張り付けるほどの財源的余力もマンパワーもありません。結果として、救急患者に対応できるだけの体制がないために断らざるを得なくなります。体制が整わないまま引き受けて、患者に万一のことがあれば過失がなくても訴えられる可能性すらあります。

医療費負担を上げるという議論も避けられないのでは

 日本の医療費対GDP比は、OECD諸国の中でも低位にあります。いくら国民皆保険制度とはいえ、それを支える医療現場が崩壊したのでは元も子もありません。医療現場が健全に回っていくようなシステムづくり、財源の裏付けが早急に求められます。医療費の財源は税や社会保険料、患者の自己負担です。

 いくら高額療養費制度があるとはいえ、患者の自己負担はずっと引き上げられており、現状よりも重くすることは無理だと思われます。しかし、国家予算の無駄を省いて医療費に回すというのはどうも現実的ではないようです。やはり、税や社会保険料を上げる、つまり今よりも負担を上げるという議論も避けて通れないのではないでしょうか。

 医療制度改革に携わった元官僚の村上正泰氏は『医療崩壊の真犯人 』の中で、国民健康保険は低所得者ほど過大な負担を強いられ、高額所得者ほど年間の保険料負担上限額が59万円に設定されているため有利になっていると指摘しています。

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牛島 信 弁護士