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中国の過剰生産体質は、なぜ治らないのか

2009年12月4日(金)

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 自動車販売台数、貿易輸出額、粗鋼生産量…。数々の分野で世界一に躍り出る中国。来年の予想経済成長率も9%と日米欧を大きく引き離す。しかし、急激な経済成長の影では過剰設備や貧富の格差拡大、産業の構造転換の遅れによる大卒雇用の低迷など、様々な問題への対応を迫られている。

 日経ビジネス2009年11月30日号では、特集「中国、独り勝ちの代償」として個別の経済指標を追うだけでは読み取りにくいリスクの実態と、その裏あるビジネスとしての勝機はどこにあるかを迫った。日経ビジネスオンラインでも、それに関連した内容を紹介していく。

 第5回は、中国の構造問題の1つである生産設備の過剰問題について、清華大学経済管理学院の白重恩副院長に聞いた。中国では鉄鋼やセメントなどの素材産業で需要を超える生産が市況の悪化を招くだけでなく、資源価格の高騰や環境問題を深刻化させている。

 ―― 中国国務院は今年(2009年)9月、過剰生産設備が問題となっている鉄鋼やセメントなどの素材産業に対して、融資の制限や新規の投資を中止するよう全国の銀行に通知しました。長年懸案となってきた過剰生産体制は、この政策で是正されますか?

 白重恩 この政策だけでは物足りないでしょう。鉄鋼などの素材産業では生産能力が過剰であることが分かっているのに、どうして新たな設備投資を抑制できて来なかったのか。この根本的な原因を突き詰めなければなりません。

清華大学経済管理学院・白重恩副院長
1963年生まれ、46歳。83年中国科学大学数学課を卒業。88年米国カルフォルニア州立大学サンディエゴ校で数学博士号を取得。93年ハーバード大学で経済学博士号を取得。香港大学、米国ボストン大学を経て清華大学経済管理学院の副院長に就任。中国で著名な経済学者が集まって組織した「中国経済50人フォーラム」の1人で、独立した立場から提言する経済政策には定評がある(撮影:佐渡 多真子)
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 生産能力が過剰なのは大部分が国有企業です。こうした国有企業が生産能力の拡大に走るのは何故か。それは、国有企業の場合、業界における順列が極めて重要だからです。

 例えば生産規模が業界の中で何番目までに入っていないと、国務院の国有資産監督管理委員会(国資委)から新しい投資を得られなくなるという恐れがこれまでありました。そのため他社が生産能力を高めると、自らの地位を保つために設備投資を行ってしまうのです。経済合理性よりもメンツが重視される。このことが大きな原因です。

 これは中国という国の深刻で構造的な問題です。国有企業は規模が大きくなるほど業界における地位が高くなる。そうするとたくさんの権利を握ることにつながります。その会社の董事長にとっても、自らの存在感が高まることは嬉しいことです。

 政府の関係者にも恩恵があります。自分がサポートしている企業が大きくなれば、定年退職した後の天下り先として都合がいいという考えがあるからです。

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「中国、独り勝ちの代償」のバックナンバー

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「中国の過剰生産体質は、なぜ治らないのか」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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