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「生活防衛消費」は、21世紀前半の世界トレンドだ

消費者の変化が、企業と政府に変化を促す

  • 立田 博司

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2009年12月8日(火)

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 民主党の鳩山由紀夫政権は、財源難にも関わらず、円高加速や「ドバイ・ショック」を受けて、とうとうしびれを切らして2次補正予算の追加経済対策を積み増しました。さらに日本銀行に対しても追加の金融緩和策を求め、日銀は臨時の金融政策決定会合を開き量的緩和拡大策を決めました。

 米国ではバラク・オバマ政権も、住宅ローンの借り手支援策や追加の雇用対策に着手するなど、景気対策の拡大がまだまだ続いています。世界の一部地域では金融政策の出口戦略が語られていますが、日本や米国では、出口どころか再度入口に戻ってしまった感さえあります。

 一方で、構造改革には重要であると思われる米国の金融改革法案が、FRB(米連邦準備理事会)の権限を巡って政治的に揉めています。政治的には短期的なお金を支出する政策は打ち出しやすく、長期・構造的に必要な政策は後回しになりがちな「支持率の呪縛」からなかなか逃れられないということでしょうか。

 その結果として、景気対策がさらに「過剰流動性のバブル」を作り続け、カンフル剤により延命措置を施すことで問題を先送りしている構図は、いつか来た道であるように思えてなりません。

 今世界中に求められているのは、「量的な」変化対応のみならず、21世紀に適応した「質的な」変化対応だと考えています。それにも関わらず、企業も政治も個人もなかなか変わることができません。厳しい環境に陥った時の先送りや変化不対応というのは、人間が現状を変えたくないという生来の性質を持ち、その人間が組織を作り決断する時には往々にして起こりやすいことで、古今東西その例には事欠きません。

 今回は、21世紀において、どう変わらなければならないのか、変わらざるを得ないのかという視点で、考察を進めていきます。道筋としては、21世紀において先進国の「消費者」が変化し、消費地としての新興国が台頭することによる変化を起点に、それに伴いビジネスモデルや企業・経営・資本・資本市場のあり方が変化し、企業で働く「個人」の意識変化を促し、最終的には先んじて変わった企業・個人が「政治」の変化を促していくと考えています。

買い替えサイクルモデルの終焉

 さて前回は、100年の覇権国サイクル、50年の技術革新の波を概観しながら、20世紀に対しての「21世紀感」について考えました。20世紀は大量生産・大量消費で日・米が欧州に追いついてきた100年で、モノによる豊かさの時代と総括してきました。そして21世紀は、「ネット化」が促す多品種少量の「個」「カスタムメード」の時代、「目に見えない豊かさ」を追い求める世紀、そして覇権が米国から次の国へと移行していく100年と考えています。

 20世紀に追い求めてきた「成長した証」としての「名誉」や「モノの所有」は、オバマ大統領の登場に象徴される米国流価値観の大転換とともに徐々に廃れ、21世紀には「名誉」や「モノの所有」によっては満たされなかった「目に見えない豊かさ」「本質的な価値」に回帰し始めるのではないかと思います。
 
 ではまず、先進国の「消費者」はどう変化してきているのでしょうか? 21世紀に入って、もちろん突然ではありませんが、徐々に、でも明らかに消費者が求める付加価値の変化、「消費者ニーズ」の変化が起こっています。

 前回述べたように「消費者ニーズ」が主導権を握る21世紀においては、企業のビジネスモデルが変化してきているということでもあります。「名誉」や「モノの所有」によっては満たされなかった人々が求める「目に見えない価値」「本質的な価値」による豊かさこそが、先進国におけるこれからの「消費者ニーズ」であろうと考えています。

 では「目に見えない価値」「本質的な価値」とは、具体的にはどのようなイメージになるのでしょうか? 前回にも触れましたが、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)やTwitter(ツイッター)が実現する仮想の世界が、自分たちのコミュニティを形成することにより、コミュニケーション・共有という「目に見えない価値」を提供しています。

 また、21世紀に入って日本では継続的なブームになっている「癒し」「癒し系」は、サロンや仏像ブーム、優しいパートナーに現れているように、モノにより満たされない精神的安定を提供し満足感を高める「精神的な豊かさ」という「目に見えない価値」だと思います。

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