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大人のための理科教育で、一億総理系化を!

創造の源泉は「アキバ・イノベーション・カフェ」にある

  • タナカ(仮称)

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2009年12月16日(水)

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 連載も7回目を迎え、毀誉褒貶喧しい中、いよいよ次回が最終回の「やちよ経済構想」、市井の立場からの政策暴言もとい、政策提言。タナカ(仮称)でございます。今回は技術について。

 毀誉褒貶甚だしいのは事業仕分けも同じことで、切られた側からは様々な批判が続出しています。税収を考えると本来45兆円くらい切らないといけないのに、目標がたった3兆円、しかも切った実績は2兆円を超えず、なお復活もありうるザル仕分けにもかかわらず、です。

 今回の批判声明などの一連の動きを見ていると、学者もスポーツ選手も脂ぎった既得権益層に過ぎなかったことが如実に分かります。原稿執筆時点で、とあるスポーツ界出身の自民党議員が次回の選挙に出ないことを決めたと報道されていました。所詮、スポーツ界も「与党党」に過ぎなかったというわけです。

事業仕分けに見る既得権者と挑戦者

 偉い学者先生がスーパーコンピューター開発予算カットの抗議会見をしている日、わずか3800万円でスーパーコンピューターを作った長崎大学の浜田剛助教の記事が、もっとずっと後ろの方の紙面を飾っていました。これが既得権層とチャレンジャーの違いなのだなあ、と感慨深かった次第。

 既存計画に巨費を投じることは拒否して、こういう方の成果に10億円くらい渡しましょう。そしてベンチャー企業を興して緊急に商業化するのです。演算能力の充実は国力を左右する重要課題ですから、貴重な資金は最大限効率的かつ機動的に活用すべきです。スーパーコンピューターの劇的な値下がりは、同じ予算で稼動できる機数を劇的に増やします。

 機数が少なければ、大規模解析の追試をするのも困難で、スーパーコンピューターの優先的な使用権を持っている研究者は、特権階級になれます。しかし、機数が増えると、ゲリラ的な研究も進行しますし、追試も簡単になり、草莽(そうもう)の研究者や中堅以下の企業に朗報となるでしょう。

 これは、直線的な技術の成長しか視野にないと、物事が大艦巨砲主義になってしまう象徴事例です。イノベーションというのは、そもそも最適配分されて均衡状態にある惰眠的でシアワセな状態から、資金や人材そのほか希少資源を引っこ抜いて、起業家の頭の中だけにある薔薇色の未来(いかがわしく不確定なモノ)に投下することで生まれるものです。ですから、これまでの既得権的資源配分の発想で巨大開発プロジェクトを運営するのでは、この手のイノベーションはそもそも達成されないのでしょう。

 これまで何百億円もかけて開発したスーパーコンピューターを凌ぐ性能を、研究会の外郭の人が3800万円で作ってしまったら、担当者は立場がありません。だから、これが身内から出たアイデアである場合、可能なら表面化する前に踏み潰してしまいたい衝動に駆られるのではないでしょうか。内部改革や新しいアイデアの導入、仕切り直しが難しい所以です。

 これらを踏まえて大先生に3つのお願いがあります。

ノーベル賞・フィールズ賞受賞者へのお願い 1

有力な学者が先頭に立って日本語論文の充実による世界の研究者の日本語必修化と、知的集約拠点として世界の研究人口を日本国に集結させるべく一層の努力を行ってください

 二階堂副包先生や今西錦司先生はノーベル賞とってナイですよね?

 せっかくの知的生産も広く読まれなければ話になりません。また、学問と語学が両立する人材のみ立派な学者というのは如何なものでしょう。せっかく得た世界的な権威ならば、日本語世界の深化のために活かしていただくことを希望します。

 日本語の論理構造は、常に感情や状況・価値観などを付与しながら展開する膠着語の特徴を持っています。そのため、原理的に不可能な「体系内での無矛盾性の証明」を跳躍することが可能で、西欧的な論理に対抗する有力なアンチテーゼになると思うからです。科学を複眼的に発展させるためにも、質の高い日本語論文を集積することが有効だと思うのです。

子供向け科学雑誌が廃刊する現実

 同声明にある「『科学技術創造立国』と『知的存在感ある国』こそが目指すべき目標」というのはある程度理解できます。「創造の源泉は人にある」。まさにその通り。

コメント10件コメント/レビュー

科学サイドのものです。一億総理系化とは頼もしいと思いました。しかし、記事前半部には事実誤認が多数含まれています。今回の仕分けではスパコン以外にも多数のプロジェクトが含まれていましたが、その中には、若手(大学院卒業前後5~10年程度)が完全フラットで研究提案をできる制度も含まれていました。記事では全く逆のご認識ですが、現在、大学では教授などの固定的な(=既得権益的な)ポストや研究費が極端に不足しています。スパコンなどをふくめて多くのプロジェクト型の研究が、中では細分化され、若手研究者を時限的に雇用する原資になっています。多数の細かい研究提案はまさしく、ある程度フラットに運営されています。それらを一律に仕分けされそうになったために、もし仕分けが実行されれば、ポストをプロジェクト研究に依存している多くの若手研究者たちは否応なく職を求めて海外に行くしかない、とそのようなお話です。あと、3800万円のスパコンは、仕分けされたスパコンとは全く別の種類であることも付け加えておきます。(2009/12/16)

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科学サイドのものです。一億総理系化とは頼もしいと思いました。しかし、記事前半部には事実誤認が多数含まれています。今回の仕分けではスパコン以外にも多数のプロジェクトが含まれていましたが、その中には、若手(大学院卒業前後5~10年程度)が完全フラットで研究提案をできる制度も含まれていました。記事では全く逆のご認識ですが、現在、大学では教授などの固定的な(=既得権益的な)ポストや研究費が極端に不足しています。スパコンなどをふくめて多くのプロジェクト型の研究が、中では細分化され、若手研究者を時限的に雇用する原資になっています。多数の細かい研究提案はまさしく、ある程度フラットに運営されています。それらを一律に仕分けされそうになったために、もし仕分けが実行されれば、ポストをプロジェクト研究に依存している多くの若手研究者たちは否応なく職を求めて海外に行くしかない、とそのようなお話です。あと、3800万円のスパコンは、仕分けされたスパコンとは全く別の種類であることも付け加えておきます。(2009/12/16)

前向きな大法螺が確かに我々に示唆を与えてくれています(笑)。子供の理科教育には、先ず親=大人の科学技術教育からというのは、案外、真理かもしれませんね。子供の科学的好奇心は進学塾方式では伸ばせないでしょうし、大人自身の起業、投資先選びも科学技術が分からないと出来ない。(2009/12/16)

旧帝大大学院で環境科学を専攻したけど今は技術系の会社でも人事とか顧客対応とか役所対応とか文系な仕事ばかりしているエセ理系です。今までの連載では色々思いつつ黙っていましたが、今回ばかりは言わせて下さい。素晴らしい。そのとおり。諸手を上げて大賛成。後半の業界再編以降の仕組みの優劣はエセ理系の私には正直よく分かりませんでしたが、いずれにせよ、官製プロジェクト?にいくら金つぎ込んだって、ほとんど無駄ということは断言できます。そりゃ狭い学者村で通用するもっともらしい成果は出ますよ?でもそれだけ。本当に大切な皮膚感覚は、官製プロジェクトでは無視され、形式を整えることが優先されること請け合いです。だから、権威に査定させるのでなく、皮膚感覚、つまりセンスに優れた理系(職人)に責任と権限を与え、イグジットを最初から想定させて仕事をさせる仕組みが大切。そこから逆に「想定外」のイノベーションが起こるはずです。(ほーばみそ)(2009/12/16)

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