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雇用がオバマ政権の息の根を止める

地球温暖化対策も移民問題にも集中できない理由

  • 安井 明彦

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2009年12月24日(木)

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 クリスマス商戦の行方が話題になる米国で、バラク・オバマ米政権に一足早いクリスマス・プレゼントが届いた。

 12月4日に発表された11月の雇用統計では、非農業部門の雇用者数が前月比1万1000人減となり、市場予測を大きく下回る減少数となった。10月の同11万1000人減と比較しても、労働市場の傷が癒えてきている様子がうかがえる。失業率は依然10.0%と二桁台となったものの、10月の10.2%よりは低下した。

 雇用統計の中身にも明るい兆しがある。雇用の先行指標である臨時雇用サービスは増加傾向にある。平均労働時間も歴史的な低水準から持ち直しの気配をみせた。12月13日に放映されたテレビインタビューで、オバマ政権のローレンス・サマーズ国家経済会議(NEC)委員長は、「多くのエコノミストが2010年春には雇用が増加に転ずると予測している」と解説。「雇用の増加は2010年後半から」としていたこれまでの政権の見解を改めている。

失業率の低下にはかなりの時間がかかる

 もっとも、政権としてもこれでひと安心というわけにはいかない。失業率が大きく低下するまでには、相当の時間がかかる可能性があるからだ。

 ポイントとなるのは新規雇用の創出力である。労働人口の自然増を考えれば、失業率を今の水準に維持するだけでも、毎月10万人程度の雇用増が続く必要がある。これに加えて、職探しをあきらめている人々が労働市場に戻ってきたり、パートタイムに甘んじている人々がフルタイムの雇用に移ろうとする動きも予想される。失業率が着実に低下するためには、こうした人々を飲み込むだけの新規雇用が必要になる。

 企業の雇用活動を取り巻く環境は複雑だ。企業は経済危機に対応して急速に雇用を削減してきた。それだけに、ひとたび景気が拡大に転ずれば、人手不足が早晩明らかになり、新規雇用が急角度で増加するはずだ、という見方がある。

 一方で、1990年代以降に繰り返された「雇用なき景気回復(ジョブレス・リカバリー)」は、新規雇用に慎重な企業行動の定着を感じさせる。規制緩和やグローバリゼーションの影響で、企業間の競争は厳しさを増している。企業にとっては、新規雇用による固定費の増加に慎重にならざるを得ない環境である。

 政策環境の不透明さも、新規雇用にとっては逆風だろう。企業にとって重荷となっている従業員の医療費負担。目下進行中の医療改革の行方やその効果は必ずしも定かではなく、企業にとっては今後の雇用コストが見通し難い情況にある。地球温暖化問題への対応や金融規制の見直しなど、企業の経営戦略を左右するような大きな政策課題も、その着地点はまだ見えていない。

 米連邦準備理事会(FRB)のベン・バーナンキ議長は、雇用統計発表後の12月7日に行った講演で、失業率の先行きにあえて慎重な見方を示している。予想されるそこそこの経済成長率では、失業率を低下させるには十分ではあるものの、急速な改善は望み難いというのが同議長の見立てである。

雇用問題はオバマ政権の“カトリーナ”?

 2010年秋に議会中間選挙を控えるオバマ政権にとって、雇用情勢の行方は極めて重要な意味を持つ。雇用情勢の改善にあまりに時間がかかれば、2つの点で大統領選挙当時の「アキレス腱」が甦りかねないからだ。

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