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「ユニクロ型デフレ」にこそ光明がある

世界で勝ち抜く「経営力」を構成する4要素

  • 立田 博司

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2009年12月22日(火)

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 ドバイに始まりギリシャに飛び火した欧州の問題が顕在化してくる中で、これまで買われ過ぎてきたユーロは鮮明に売られ始めました。また信用不安が再燃したことから商品や新興国市場の株式などが売られ、世界のリスク資産を回避する動きも出始めました。そう遠くない将来に、リスクを回避する動きがさらに大きなうねりになるかもしれないという懸念を強めているところです。

 その中で先週末、世界の注目を集めてきたCOP15(国連気候変動枠組み条約締結国会議)では2013年以降のポスト京都議定書の方向性だけを定めた「コペンハーゲン合意」が採択されました。「大山鳴動、ネズミ一匹」で、実質的な結論は先送りされてしまいました。京都議定書の枠組みにCO2(二酸化炭素)排出大国の米中を取り込むのがいかに難しいか、世界経済が中国に頼らざるを得ない状況でその中国を規制するのがいかに難しいか、が浮き彫りになりました。

 さらには、短期的に痛みがない中で長期的な問題を解決するのがいかに難しいかという、日本や日本企業全体の問題にも共通するポイントだとも言えます。

 前回は、21世紀の価値観の変化に対応する「製造物流小売業」モデルを例に取って、現在においてベストな「静的」ビジネスモデルについて述べました。また、今の日本に多く見られる「大企業病」や「変わりたくない症候群」に触れ、その裏には戦後の「創造」をリードしてきた創業経営者が表舞台から姿を消しつつあることもあると述べました。

 今のような歴史的な大変化の時期には、時代の変化を読み切る大局観や、それに伴って対応が必要になる企業のビジネスモデルの革新、そのための決断と実行力が必要になりますが、残念ながら数年毎に交代するサラリーマン経営者では、それは荷が重すぎると指摘しました。

 今回は、より「動的」にビジネスモデルを生み出し、進化させ、変化させ続ける企業の「経営力」について考えていきたいと思います。

「大企業に良い社長はそんなにいない」

 ある上場企業の創業経営者に、どのような社長が良い社長かと尋ねたことがあります。その方の答えは、「大企業には、良い社長なんてそんなにいませんよ。自分の任期がたまたまその会社にとって追い風だったら良い社長と評価されるだけで、長期にわたって継続的に素晴らしい社長は、そんなに多くないと思っています」でした。

 少々シニカルではありますが、なかなか本質を突いた分析だと唸ってしまいました。そういう目で世の中を眺めると、メディアなどで持ち上げられた社長の会社が、その後の環境変化とともに駄目になってしまったり、成功が短期的であったりした例が多々あります。

 もちろん大企業のサラリーマン社長の中にも優秀な方がいらっしゃるかとは思いますが、やはり4年程度で持ち回るような短期型の社長では、できることが限られていますし、何とか自分の任期だけはうまくやり過ごそうと考えても不思議ではありません。しかも、「大企業病」や「変わりたくない症候群」に侵された大企業においては、そもそもサラリーマン経営者自身も同じ病気にかかっていることが多いというのは、容易に想像できます。

 ただ、大企業においても稀に長期政権で評価が高い名社長がいらっしゃいます。その方々に共通しているのは、意外にも社内の主流部署におらず、どちらかというと傍流で苦労をしてきたところ、危機とともに見いだされて抜擢されたという方が多いことです。

 こうした経営者は、社内から見れば「突然変異」だと思われるでしょうけれども、私の面談の経験からは、実は本人の育った環境や遺伝子による「持って生まれたもの」が違うことが多く、そういった本物の人材が傍流で鍛えられ温存されてきた大企業の懐の深さとも考えられますね。

 サラリーマン経営者と比べると、株式市場に上場してくる創業経営者は(そのレベルは様々ではありますが)、事業や会社に対する覚悟や真剣さ、リスクの取り方、幾多の限界に挑戦するような修羅場をくぐり抜けてきた経験、小さな会社の頃から何でもやってきた現場感覚、といった創業者ならではの共通の資質を感じます。余談ではありますが、米国の創業経営者との面談の経験では、さらに発想自体のユニークさ・創造力と、それをビジネスとして成功させる仕組みの作り方が非常にうまいと感じました。

なぜ今ユニクロ柳井氏なのか

 さて上場創業経営者の中でも、その後中堅企業から大企業になっていった経営者に共通して言えるのは、「経営力」に優れていた方が多いと考えています。企業の「経営力」とは、以下の要素だと考えています。

コメント7件コメント/レビュー

文中にある佐藤可士和さんのユニクロ評「本質を掴んで、それを引き出して、磨く。余計なものを足していくのではなくて、削ぎ落とす」というのは、可士和さんの口グセですよ。ユニクロ以外の企業であったり商品など(可士和さんが気に入ったもの)にも同じようなことを言っています。というか、可士和さんのデザインに関する考え方も上記の言葉どおりです。さらに言えば、それは可士和さん固有のものではなくて、可士和さんの師匠にあたるデザイン界の重鎮たちが語っている言葉でもあります。ですので、この言葉は可士和さんの単なるホメ言葉と受けとめ、聞き流すのが正解だと思います。実際、ユニクロは「そぎ落とす」のではなく「付加価値をつける」ことにこだわっていると書いているのですから。(2009/12/27)

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いただいたコメント

文中にある佐藤可士和さんのユニクロ評「本質を掴んで、それを引き出して、磨く。余計なものを足していくのではなくて、削ぎ落とす」というのは、可士和さんの口グセですよ。ユニクロ以外の企業であったり商品など(可士和さんが気に入ったもの)にも同じようなことを言っています。というか、可士和さんのデザインに関する考え方も上記の言葉どおりです。さらに言えば、それは可士和さん固有のものではなくて、可士和さんの師匠にあたるデザイン界の重鎮たちが語っている言葉でもあります。ですので、この言葉は可士和さんの単なるホメ言葉と受けとめ、聞き流すのが正解だと思います。実際、ユニクロは「そぎ落とす」のではなく「付加価値をつける」ことにこだわっていると書いているのですから。(2009/12/27)

ユニクロ型だろうが、何型だろうが、デフレは悪です。暗黒です。デフレは得する「部分」と損する「部分」の格差が激しいのですが、「全体」には大変な悪です。(2009/12/23)

>経営者が常に「全体最適」を図りながら、「部分最適」である現場主義も強化するという絶妙なバランスでしか、会社の長期的な成長は達成できないのです。<企業は日本のマクロ経済の中の部分です。一企業が最適化することで、全体が最適化できない現状をどうするかですよ。一部分が最適化しないほうがいい場合が多いということです。(2009/12/23)

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