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意図的なローン延滞が増えている

資産価値回復まで、まだデフォルトは続く

  • 勝藤 史郎

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2010年1月14日(木)

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 住宅ローンの延滞が増加がまだ増加していることは米国経済回復に対する向かい風の1つである。失業や収入の減少によって住宅ローンの返済が滞ることは想定できることだ。

 しかし米国では新たな問題が持ち上がっている。毎月のローン返済ができる収入があるにもかかわらず意図的に返済を停止する事例の増加である。

債務と資産を両方放棄して債務超過から脱出

 ウォールストリートジャーナル紙など当地のメディアは意図的債務不履行(ストラテジックデフォルト)の増加について最近多くを報じ、また学術研究やブログなどでも様々な議論がされている。

 ストラテジックデフォルトとは、ローンを返済できる資力があるにもかかわらず意図的に返済を停止し、担保となっている自宅を放棄するとともに住宅ローン債務から解放されることである。

 ストラテジックデフォルトは、住宅価格がローン残高を下回った場合に起きやすい。つまり、自分の債務と資産の価格を比較して債務が超過している場合には、両方を放棄することで、いわば債務超過の状態から脱出できるわけだ。

 調査会社Zillow.comによれば全米の家計のうち22%が住宅価値がローン残高を下回る状態(ネガティブエクイティ)にあり、特にラスベガス、カリフォルニアなどではその比率は50%を越えるという。

意図的なデフォルトが合理的に

 米国の住宅ローンは事実上ノンリコース(非遡及型)に近いとされている。

 担保物権から回収できない不足分の請求手続きに様々な法令上の制約があるため、債権回収のコストを勘案すると貸し手は事実上担保住宅以外の債務者の資産にまで遡及することがあまりないと言われている。

 また一部の州では、担保住宅以外の債務者の資産への遡及を州法で禁じている。そのため債務者としては、「価値の低い住宅を放棄しても債務を帳消しにするほうがメリットがある」と考えれば意図的にデフォルトすることが合理的になる。

 たとえば、借り入れて間もない住宅ローンで、毎月の支払いのほとんどが利息であるような場合、安い家賃で家を借りて生活することができるのであれば、(住宅価格が再び元に戻る事が無い限り)経済的にも有利である。

 債務不履行をすることによるデメリットも当然ある。住宅ローンでデフォルトした消費者はその信用記録が残り、今後数年間はローン借入ができなくなる。

35歳以下の若年層、居住5年未満にその傾向が強い

 シカゴ大学ジンガルス教授らの研究によれば、現在の住宅ローン延滞のうちの26%がストラテジックデフォルトだという。

 同研究によれば債務者が意図的債務不履行をすることを考えはじめるのは、ネガティブエクイティ(住宅価値からローン残高を差し引いたマイナス額)が住宅価格の10%を越える時点で、ネガティブエクイティが50%を越えるとその比率は17%に上るという。

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