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これでは日本の農業は強くならない

「規模の経済」で考える戸別所得補償制度

  • 大町 退一

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2010年2月8日(月)

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 政権交代によって想定される農業政策の変化の中で最も大きなものは、戸別所得補償制度の導入でしょう。現政権のマニフェストでは「農畜産物の販売価格と生産費の差額を基本とする『戸別所得補償制度』を販売農家に実施する」としています。

 このことがなぜ大きな変化かと言えば、前政権によってなされた農業政策の転換、すなわち一律支援から大規模農家を中心とした選別政策へ転換された路線に逆行することになるからです。

 前政権では担い手経営安定対策品目横断的経営安定対策を導入しました。これらの政策では、従前のように全ての農家を対象として支援を行うのではなく、規模を要件として支援を行うという点が重要でした。具体的には対策の対象となるためには、都府県で4ヘクタール以上、北海道で10ヘクタール以上という規模要件を満たす必要があり、戦後の農政において大きな転換がなされたとも言えましょう。さらに、この転換は経済学的にも大きな意味を持つものでした。

大型の農業機械によって生産性が向上

 経済学では本源的な生産要素としての労働と資本を投入することで生産がなされると仮定されており、土地集約度が低いとの理由から、生産要素から土地が省略されています。

 しかし農業の場合、何を栽培するかにもよりますが、総じて土地集約度が高く、生産要素から土地を省くことは適当ではありません。そこで農業については労働、資本、土地を投入することで生産がなされると仮定されることが一般的です。

 そして労働投入には賃金、資本としての農業機械投入にはレンタル料、土地投入には賃料がかかると仮定すると、平均費用は労働時間に時間当たり賃金、農業機械にレンタル料、土地に賃料を乗じたものを全て加えた総費用を生産量で除することで求められます。

 農業を考える際には資本すなわち農業機械の非分割性に注目することが重要です。様々な農作業の過程において使用される農業機械は一様ではありませんが、例えば稲刈りに使用される農業機械は、鎌といった農具、歩行型刈り取り機といった中型機械、コンバインといった大型機械といった分類が可能です。そして農業機械が大型化するとともにレンタル料は高くなりますが、その一方で省力化が可能となり、大型の農業機械を使う場合には労働生産性が向上します。

 どのような農業機械を使用するかは、賃金とレンタル料によって変化します。賃金がレンタル料に比べて低い場合は、小型の農業機械で人海戦術により農作物を生産した方の費用が安くなります。反対に賃金がレンタル料に比べて高い場合には、少ない労働力で大型の農業機械を駆使して農作物を生産した方が費用を抑えることができます。

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