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アジア共通通貨圏は“最悪通貨圏”か

「最適通貨国」の条件で東アジア共同体構想を考える

  • 大町 退一

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2010年2月19日(金)

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 民主党のマニフェストでは東アジア共同体の構築をめざすとされています。また政権交代後において、鳩山総理の公式な演説を見ると、国連総会における一般討論演説や国会における所信表明演説でも東アジア共同体構想について言及し、さらにシンガポールで行われたアジア政策講演でもある程度時間を割いて触れられています。

 ただしこれら演説からは東アジア共同体とはどのような共同体をイメージしているのか見当が付かず、2度にわたる世界大戦の教訓から成立した欧州連合がお手本であるという点、協力を積み重ねることでだんだんと姿が見えてくる点がわかる程度です。いずれにせよ具体的な姿が見られない以上、自民党政権下でも進められてきた東アジア共同体構想と同じなのか、根本的に違うかも見えてきません。

 具体的なイメージはまだ見えませんが、ここでは東アジア共同体構想が協力の枠組みにとどまるのではなく、欧州連合のように政治的、経済的な統合まで視野に入れているとの前提で、経済的統合に絞って話を進めていきます。

通貨統合で生じる“デメリット”

 地域経済統合の専門家であるバラッサによれば地域経済統合には、以下の5つの段階があります。

(1) 構成国の間で関税など貿易に関する障壁が撤廃される自由貿易地域
(2) 自由貿易地域に構成国の対外関税が共通に設けられる関税同盟
(3) 貿易に関する障壁撤廃に加え、労働や資本など生産要素の移動制限が構成国間で撤廃される共同市場
(4) 共同市場を基礎として構成国間で経済政策の調整がある程度行われる経済同盟
(5) 経済政策が統一されるなど完全な経済統合

 欧州連合は、共通通貨が導入され、金融政策は各国調整の上で行われているため、経済同盟の段階にあると言えるでしょう。アジア共同体における経済的統合がどの段階までイメージされているかははっきりとは分かりません。ただし公式な場での演説などではありませんが、鳩山総理が「Voice」(2009年8月号)に寄稿した論文に「…やはり地域的な通貨統合、『アジア共通通貨』の実現を目標としておくべきであり…」とのくだりがありますので、共通通貨を導入した経済同盟まで視野に入っていると言えるでしょう。

 共通通貨を導入すれば様々なメリットを享受できますが、中でも為替リスクがなくなることは特にアジア諸国と取引を行っている企業にとっては大きいでしょう。しかし共通通貨の導入にはデメリットもあります。

コメント6件コメント/レビュー

ぶっちゃけると「経済的な均質性が低いと共通通貨圏は失敗するし、高ければ成功する」ってことですね。そして、現時点では失敗する条件を満たしていると。であれば、この条件を満たす方向に動けば、ビジョンを達成できると言うことですね。それがいつの話になるのか分かりませんが、最低半世紀といった辺りかな。EUもそれくらいの時間はかけたわけだし。(2010/02/20)

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いただいたコメント

ぶっちゃけると「経済的な均質性が低いと共通通貨圏は失敗するし、高ければ成功する」ってことですね。そして、現時点では失敗する条件を満たしていると。であれば、この条件を満たす方向に動けば、ビジョンを達成できると言うことですね。それがいつの話になるのか分かりませんが、最低半世紀といった辺りかな。EUもそれくらいの時間はかけたわけだし。(2010/02/20)

アジア共通通貨圏はそれがいつ実現するかはさておいて、十分に研究・検討する課題であると考える★クーデンホフ・カレルギーが1920年代にパン・ヨーロッパを提唱してから、戦後、欧州経済共同体(EEC)などのグループを中心として欧州共同体(EC)を形成し、通貨統合を含めた欧州連合(EU)まで、当時世界で産業の最も発達していた地域のひとつであるヨーロッパでさえ、長い時間と試行錯誤の末に今に至っている★また筆者の言う3つの条件だが、第1のショック性を過去30年で評価するのは納得できない★何故なら日本は丸々高度成長期からバブル期がかぶっているし、中国は文革の真っ只中で、現在とは違った経済状態にあるからである★また欧州でもECUという仮想共通通貨を設定し、為替の触れ幅と共通通貨スタート時のレート設定の土台にし、ある程度のショック回避は織り込めると考える★第2の経済の開放性はあくまでNice to have★そんな風に自然に経済が開放されている国など無い★第3の労働の移動性についてはEU内でもフリーパスではない★労働ビザと滞在ビザを得るために自国語の試験を課す国も少なくない★それよりも経済的な各国におけるメリットについてほぼ素通りなのは残念である★友愛、すなわち同情や慈悲といった観点ではなく、日本が中国や韓国、台湾(インドも含むのか?)を取り込んだ経済圏にいるという状況をもっとニュートラルに考察していただきたかった(2010/02/20)

東アジア共同体について、議論が活発になるのはよいことです。米国に頼りきりでいるわけには行かず、中国をほっておくわけにはいきません。東アジア諸国とどのような関係を築くのが国益になるのかもっと突っ込んだ検討が必要でしょう。文中では民主党、鳩山首相の言質を問うようなところが見えますが、別々の議論としたほうが、読み手はわかりやすいと思います。東アジアとの関係を密にしようという動きが出るたびにつぶしにかかる勢力がありますが、さてどう出てくるのでしょうか?中ノ島の会社員(2010/02/19)

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三品 和広 神戸大学教授