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ギリシャ危機で強くなるユーロ

救済プロセスが見えてくることで中期的に信任は高まる

2010年2月18日(木)

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 昨年末以降、ユーロの下落傾向が続いている。この背景には、ギリシャのソブリンリスク(財政破たんリスク)拡大がある。

売りを浴びせられるギリシャ

 同国ではパパンドレウ新政権への交代後に、前政権による財政統計の計上ミスが表明され、2009年の財政赤字が従来発表の国民総生産(GDP)比3.7%から、一気に12.5%まで拡大(後に12.7%へさらに修正)した。

 これに対して欧州委員会が異例の批判を行ったことなどを契機に、財政リスクが上昇。市場からの「信任」という重要な国家の支えを失う形で、金利上昇、株価下落、CDS(クレジット・デフォルト・スワップ)スプレッド上昇といった、全面的な“ギリシャ売り”の事態に陥っている。

 加えて、金融市場がギリシャ一国にとどまらず、ポルトガルやスペインといった財政赤字額が大きい周辺諸国のソブリンリスクまで意識し始めたことで、ユーロ圏全体のリスクとしての意識が強まり、ユーロ下落に結びついている。

筋が悪い今回のユーロの下落

 今回のユーロ下落は筋が悪い。何故ならば、ユーロという通貨システムへの信任というシステミックな要素が内包されているからである。

 筆者が知る限り、それは統合直後の1999年から2001年まで続いた通貨下落以来のことかもしれない。この時は、協調介入の後にしばらくして反転し始めたが、当時も「ユーロという通貨自体がうまくいくのか」という、通貨システムへの信任の欠如が下落の背景にあった。
 
 それはあくまでも、実績のない新しい通貨システムに対する漠然とした疑念だった。しかし、今回の下落は、信任の低下という点で似ているものの、より具体的な破綻プロセスを想定している点が異なっている。

 財政赤字の拡大による国債の金利上昇により、参加国がユーロを維持できなくなるシナリオだ。

ユーロ内不均衡で通貨統合の限界露呈

 もっとも、今回のような深刻な景気後退の後に政府債務が拡大するのは、ある意味自然なことである。それは、日本でも米国でも、欧州と状況はあまり変わらない。

 しかし、ユーロ圏の場合、域内16カ国で通貨固定システムを採用していることが根本的に異なっている。16カ国が固定相場制を強いているのと同じことで、通貨下落など為替相場による調整が出来ず、景気後退の穴埋めがより財政に回りやすい。

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「ギリシャ危機で強くなるユーロ」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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