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「ニュー・ニューディール」はどこに消えた?

オバマ政権が直面する「各論賛成・総論反対」の壁

  • 安井 明彦

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2010年2月25日(木)

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 米バラク・オバマ政権が目指してきた一連の改革が暗礁に乗り上げている。「ニュー・ニューディール」とも評された活動的な政府を取り戻す試みは、米国民の根強い政治不信・政府不信の壁に直面している。

「各論賛成・総論反対」のあべこべ

 米議会では医療改革のこう着状態が続いている。世論調査の結果からは不思議な特徴が読み取れる。改革案に含まれている個別の提案は世論に支持されているのに、改革全体の賛意を問うと反対意見が多数派になる。「各論賛成・総論反対」が、世論の反応なのだ。

 米ワシントン・ポスト紙が2月初旬に行った調査によれば、「企業が被雇用者に医療保険を提供するよう義務づける」「保険会社に対して既往症を理由とした加入者の差別的取り扱いを禁止する」といった個別の改革は、いずれも70%を超える支持を集めている。比較的支持が低い「個人に保険加入を義務づける」という提案ですら、過半数が賛成している。

 ところが、こうした提案が含まれた「オバマ政権の医療改革」については、「支持しない」とする割合が「支持する」という回答を上回っている。

 こうした不思議な世論の姿は、政治や政府に対する不信の表れだと指摘されている。拙稿「オバマ旋風で『大きな政府』復権?」で紹介したように、2008年の大統領選挙の当時には、「米国の世論が活動的な政府を求める方向に動き始めている」という議論があった。医療改革に限らず、経済における政府の存在感を強くしようとするオバマ政権の改革は、こうした世論の流れをすくい上げたはずだった。

 ところが、オバマ政権の発足から1年が経過した今、「ニューディールの再来(関連記事「『ニュー・ニューディール』の胎動」)」の前には、政治・政府不信の高い壁が立ちはだかっているようなのだ。

根強い政府・政治への不信

 政治に対する不信は、医療改革に関する議会審議の長期化によって増幅されている可能性がある。一般的に米国の世論は、いくら難しい課題でも、政治家が真摯に問題解決に取り組みさえすれば対応策の実現は難しくないはずだと考える傾向にあるという。

 逆に言えば、今回の医療改革のように、実に1年にわたって審議が難航しているという状況は、政治家が真摯に問題解決に取り組んでいない何よりの証拠だということになる。だからこそ、個別に含まれた改革の内容がどうであれ、世論は出来上がってきた改革案を信用していないのである。

 「総論反対」に世論を走らせるもう1つの理由が、医療分野における政府の存在感が増すことへの警戒感である。個別の提案が好ましいとしても、医療改革を総体的に考えた場合には、どうしても政府に対する不信感が勝ってしまうというわけだ。

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