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電気自動車は、スマートグリッドの重要なツールだ

「前門のリコール、後門の地球環境」のトヨタ

  • 立田 博司

バックナンバー

2010年3月2日(火)

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 先週は、冬季オリンピックの目玉であるフィギュアスケートとともに、トヨタ自動車のリコール問題に関する米国での公聴会がメディアを賑わしました。真摯に対応するとのメッセージが伝わり、とりあえず政治ショーは一段落するのではないかと思いますが、トヨタも含めた既存のガソリン自動車の悩みはこれからさらに深くなりそうです。

 それは、既存の自動車各社の屋台骨を揺るがすガソリン自動車から電気自動車へとシフトする流れが、これから加速するからです。ガソリン自動車で量を作って強かったトヨタのような会社ほど、そのインフラを容易に捨てられないからこそ、電気自動車への大胆なシフトが遅れて、致命的な競争劣位を招くことになりかねません。

 それに加えて、電気自動車にシフトすると、移動する機械という役割とともに電池の蓄電機能にも大きな役割が期待されるようになるでしょう。20世紀までとは違った、21世紀の新しいパラダイムへシフトできるかどうかが、鍵となりそうです。

 以前「ドバイ・ショック。そして過剰投資と覇権国」で、21世紀前半のトレンドとして「環境」と「電気自動車」について触れ、「『企業文化資本』の勃興と『産業資本』の低下」では21世紀の大きな変化として「地球環境問題」による「有限」な成長を意識せざるを得なくなるとコメントしました。

 また前回は、21世紀前半には、20世紀までの「近代工業社会」を「ネット化」が壊しながら21世紀の「ポスト近代工業社会」を創造していくと述べました。今回は「ポスト近代社会」における「地球環境問題」全般を取り上げて、その統合した形としてのスマートグリッドや電気自動車の位置づけについて考えてみたいと思います。

「資源制約の危機感」が小さくなった

 昨年末にデンマーク・コペンハーゲンで開かれた国連気候変動枠組み条約の第15回締約国会議(COP15)において、2013年以降の国際的な地球温暖化対策(ポスト京都議定書)に関して「コペンハーゲン合意」がなされましたが、これがほとんど中身のない政治合意にとどまったことは記憶に新しいと思います。

 会議直前までは大胆な合意に向けて盛り上がっていたはずだったのに、なぜこのような結果に終わったのか。その意味を考えるには、そもそもなぜ地球環境問題がクローズアップされてきたのかという歴史を紐解く必要がありそうです。

 1972年に出されたローマクラブの報告書にもあるように、地球の人口増加や環境破壊が進めば、資源の枯渇や環境悪化によっていずれは成長の限界に達することは明らかで、それを回避するためには地球が「有限」であることを認識して新たな道を模索しなければならないことは以前から議論されてきました。

 これは歴史的には、先ほど述べたように先進国は「近代工業社会」の限界とともに、「ポスト近代工業社会」に移行しなければならないことを意味しています。ではなぜ、ちょうど21世紀に入る頃から「地球環境問題」が大きく取り上げられるようになったのでしょうか。

 きっかけと考えられるのは、1997年12月に気候変動に関する国際連合枠組み条約のいわゆる「京都議定書」が議決されたことが考えられます。これにより、温室効果ガスの問題を認識し目標を定め、目標達成のための京都メカニズムも定められました。その後2000年代に入り、IT(情報技術)バブル崩壊で世界が揺れたためにいったん萎んだ環境に対する機運は、世界的な過剰流動性で景気が回復してきた2003年頃からまた盛り上がってきたように思います。

 1つには、その頃から新興国の経済成長が明らかになり、エネルギーや食糧、鉱物といった商品価格が急騰したことによって、地球の資源が枯渇するのではないかという「資源制約」の意識が高まってきたことがあります。

 例えば、原油価格高騰によって、それまで経済的に考慮されにくかった太陽電池や風力発電といった再生可能エネルギーにも普及の可能性が生まれ、温暖化防止の意識とともに、欧州を中心に補助金を出して普及を図る動きが顕著になりました。当時の雰囲気は、新興国も含めた世界経済の成長はこのままのペースで続くことを前提に、商品価格は上がり続けるというものでした。

 もう1つの要因は、世界的に景気があまりに良かったために、余裕を持って地球温暖化防止の倫理観が語られたことです。象徴的には、2006年にアル・ゴア元米副大統領の「不都合な真実」という映画がセンセーショナルに地球温暖化を取り上げ、また気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が2007年の第4次評価報告書で「温暖化は人類活動により放出される温暖化ガスが原因」だと断じたことなどです。2007年には、アル・ゴアはIPCCとともに環境問題の啓発に貢献したとしてノーベル平和賞を受賞しています。

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