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言ってはならぬ「増税」、でも不可避

11月の中間選挙を前に迷走する米財政赤字問題

  • 勝藤 史郎

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2010年3月12日(金)

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 米国で選挙期間中に「増税」を明言することは、落選を覚悟するようなものだと言われる。

 1984年の大統領選挙で当時現職のレーガン大統領と戦った民主党モンデール候補は、財政再建のための増税を公約に掲げた。「増税に否定的なレーガンも当選したら増税するに違いない。それを自分は(正直に)今宣言する」という論法だった。

 結果は、モンデール候補が地元ミネソタ州とワシントンDCを除くすべての州で敗れるという究極の大敗となった。

年収25万ドル以下の個人には増税せず

 現在1.5兆ドルの財政赤字を抱え再建のメドが立たない米国では、11月の中間選挙を前に経済問題が政治化している。医療保険制度改革、雇用対策の検討は議会の思惑で迷走している。

 財政赤字問題も同じだ。オバマ大統領が超党派の緊急財政委員会を招集して、2015年までの財政均衡実現案の策定を指示している。だがその実現は直感的にも容易ならざるものがある。

 財政再建にとって一番大きな政治的障壁は、幅広い増税を口に出せないことだ。

 オバマ大統領は就任前より「年収25万ドル以下の個人(国民の95%に相当)に対しては増税をしない」ことを公約している。2月に公表された予算教書では、この所得層に対しては逆に減税を実施し、所得再配分を実現することを表明している。

富裕層向けブッシュ減税は失効させる

 これに対する財源としては、イラク撤退、医療制度改革による政府医療保険支出削減、政府の無駄遣い削減のほかに新たな税収が提案されている。

 主に金融機関や大企業、富裕層に対する増税だ。金融機関に対しては「金融危機責任手数料」、企業に対してはエネルギー産業などの特定事業への陳腐化した税優遇廃止などがある。

 また、富裕層に対しては、2010年末に期限を迎えるいわゆるブッシュ減税をそのまま失効させることで、所得税の最高税率を引き上げるというものだ。なお年収25万ドル以下の個人に対してはブッシュ減税をそのまま継続することで、所得再分配を行う目論見だ。

 その結果、今後10年間で、企業や富裕層への増税額が、中間層以下への減税額を優に上回る計算になっている。

財政赤字を放置するか、福利を犠牲にするか

 だがそれでもなお、財政赤字は解消しないというのが予算教書の結論だ。さらに、予算教書の想定する今後10年間の経済成長率は、リセッション無しの3~4%成長という非現実的なシナリオに基づいている。

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