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「ギリシャ悲劇」の舞台裏

幾多の問題を抱え、危機は「常時上演」のロングランに

2010年3月18日(木)

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 金融市場は昨年末以降、欧州のソブリンリスク(国家の信用リスク)に席捲されている。言うまでもなく、その渦中にあるのがギリシャだ。

 同国が抱える巨大な不均衡は、財政赤字が対GDP(国民総生産)比12.7%(2009年)、経常赤字が対GDP比10.0%(同)にも達する。この不均衡が引き起こす不安感は、もはや、一国のソブリンリスクに留まらず、欧州経済通貨同盟(EMU)の持続可能性の疑義へも及んでいる。

 蔓延する悲観ムードを映して、通貨ユーロは約10カ月ぶりの安値水準へ、大幅下落を余儀なくされている状況だ。

「ギリシャ悲劇」を読み解く3つのポイント

 こうした現代版「ギリシャ悲劇」を読み解くにあたって、筆者は、以下の3点に留意したいと考えている。

[1] ユーロ導入前夜に活躍した懐疑派エコノミスト達の巻き返し
[2] 継続課題である「最適通貨圏」や「南・西欧格差」の構造問題
[3] GDPの3割を超えるギリシャの非公式経済の存在

 特定の悲観論が極まる場面では、[1]の構造論者の露出が増え、[2]のような既知の制度的構造的弱点が声高に批判されるのは、金融市場でよくある光景だ。従って、極端な悲観論からは、ある程度距離を置きたいと考えている。

 しかし、一方で、[3]に示すように当局に捕捉されていない非公式な経済活動、言い換えれば「シャドーエコノミー」の規模が大きいことも、大きな懸念材料だ。経済統計や徴税制度に対する信頼感欠如といったギリシャ固有の困難な事情も、このシャドーエコノミーの存在と表裏一体の関係にある。

 ギリシャ、そして、通貨ユーロともに、市場の信頼感再構築には、相当の時間を要することになりそうだ。まずは、順を追って問題点を整理してみよう。

ユーロ懐疑派の再台頭

 EMUは、その計画段階から、英米のエコノミストなどを中心に、経済的合理性に乏しい欠陥プロジェクトだと批判されてきた。ユーロ圏は「最適通貨圏ではない」というこれら懐疑派の基本的な考えは、次のようなものだ。

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「「ギリシャ悲劇」の舞台裏」の著者

武田 紀久子

武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

1989年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官