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イマドキの若者こそ「本物の価値」を理解している

「価値観の変化」と「知識労働化」は必然の流れ

  • 立田 博司

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2010年3月23日(火)

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 以前「『フリー』がもたらすポスト近代工業社会」において、「ポスト近代工業社会」への移行という21世紀の方向性についてまとめ、21世紀前半を「ポスト近代工業社会」の先進国モデルを創り上げる時期だと考えました。それを踏まえて、問題でありまた成長分野にもなり得る「ネット化」「地球環境問題」「医療問題」を取り上げ、それぞれの21世紀前半における意味と産業のあり方について考察してきました。

 今回と次回で連載を総括しながら、「新しいニッポン」へのヒントを探っていきます。まず今回は、21世紀前半において、あらゆる意味で底流となるテーマである「価値観の変化」と「知識労働化」について、その意味を再考し、21世紀前半に生きる私たちに対する示唆を導き出してみたいと思います。

本質的な人間関係や社会のあり方を求めている

 「ドバイ・ショック。そして過剰投資と覇権国」では、20世紀の企業主導の「大量生産・大量消費型」経済から、21世紀には消費者ニーズ主導の「少量多品種カスタムメード型」経済へ移行するであろうことを述べ、その中で豊かさの定義が、モノや名誉、お金から、モノでは実感できない「目に見えない本質的な価値」へと変わっていくことについて考察し、「草食系男子」についても触れました。そこでまずは、実際に起こっている価値観の変化とその背景から考察を始めてみましょう。

 IT(情報技術)バブルが世界的に崩壊した2000年は、100年間覇権を握ってきた米国への一極集中がピークを打った年であり、それまでの20年間で先鋭化してきた「資本主義」という米国的価値観が度を超してしまったことに対する歴史的な揺り戻しが始まった時期なのではないかと思います。

 そしてこの時期はまた、産業革命以来続いてきた大量生産・大量消費型の「近代工業社会」から、21世紀の「ポスト近代工業社会」へ移行する幕開けでもあったと思っています。こうした社会的な流れを映す米国の株式市場も、私は基本的に2000年のITバブルをピークとして長期の停滞期に入っていると認識しており、現在は停滞期の中で投機的・循環的に上昇・下落を繰り返していると考えています。

 ちょうどこの時期から、「ロハス(LOHAS、Lifestyles Of Health And Sustainability)」と呼ばれるライフスタイルを表わす言葉が注目され始めました。「ロハス」とは文字通り、健康で維持可能な環境を意識したライフスタイルのことで、米国における保守派や経済的成功やお金に価値を置く合理主義者に比較する形で、アートや文化が好きで、慎重かつ本物志向である人たちのことを指すようです。

 「近代工業社会」や「資本主義」が突き進み過ぎて、あまりに合理的で効率主義的な価値観が蔓延してしまった社会に対するアンチテーゼとして、このタイミングでこの言葉が現れたことは非常に興味深いものがあります。「ロハス」は日本にも輸入されて「癒し」「癒し系」といった言葉も生み出し、その後3~4年前からは、特に若年層の価値観の違いを指して「草食系男子」や「森ガール」という言葉に発展(!?)して広がってきたように思います。もちろん、「ロハス」に始まるライフスタイルや世代のネーミング自体は、多分に商業的な意図を感じますし、また世代を一言で表わすことの危険性はあるとは思います。

 ただ私自身、自分の周りに「これは『草食系男子』『森ガール』だろう」という知人が多くいてその世代を実感することができますし、先入観や偏見を持たずに彼らの考えを聞いてみると、実はしっかりとした価値観を持った世代だと分かります。クルマをはじめとしたモノを買わない(でも電機製品はしっかり買っているようですが)、ブランド品に関心がなく、エコやレトロ、中古や手作りが好きで、休日は旅行や遠出をするよりも自宅の周辺で友人や家族と過ごす、今を楽しむよりも将来に備えて貯蓄をするといった特徴によって語られる「草食系男子」は、商業的にあまり好ましくないとか、覇気や上昇志向がない、安定志向で小さくまとまっているなどと、ネガティブに捉えられることが多いようです。

 一方で、環境の変化を見極めたうえで、自分にとって何が本物で何をなすべきかをしっかりと考え、上滑りではない本質的な人間関係や社会のあり方を求めているという側面もあり、実はこの世代・人たちこそ、私が21世紀の価値観だと考えている「目に見えない本物の価値」を理解しているのではないかと思います。

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