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「全員で幸せになる」日本の強みを取り戻す

和地孝・テルモ会長が始めた組織風土改革の狙い

2010年3月24日(水)

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 2009年3月期の連結決算で減収減益を計上し、増収増益の記録が途絶えた医療機器メーカーのテルモ。

 同社の和地孝会長は記録よりも社員の意識の変化に懸念を抱き、昨年4月から組織風土改革に乗り出した。

 社員の指示待ち体質の払拭と成果主義の弊害の解消を目指した改革のポイントについて、和地会長が語る。

(構成は中野目 純一 日経ビジネス記者)

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 昨年4月から組織風土改革を始めました。

 きっかけは2009年3月期の連結決算で減収減益となり、14期連続の増収、8期連続の経常増益が途絶えたことです。記録が止まったことよりも社員の反応が気になりました。「急激な円高に見舞われたから仕方がない」というムードが社内に広がっていたのです。

 その情景は、私が1989年に富士銀行(現みずほフィナンシャルグループ)の取締役からテルモに転じた時の社内の雰囲気を思い起こさせました。

 当時の社長によるワンマン経営の弊害で、指示されたこと以外は何もしない「指示待ち体質」が社員の間に蔓延していたのです。その結果、テルモは90年3月期から3期連続で最終赤字に陥りました。

 95年に社長に就任した私は組織風土改革に着手し、指示待ち体質の一掃を図りました。研究開発、生産、営業と機能別に分かれていた組織を製品群ごとの組織に再編し、社員同士のコミュニケーションの活性化を促したのです。

 この組織風土改革が原動力の1つになり、テルモは再び成長軌道に乗りました。ですが、その後の好業績に慣れきった社員たちは思考停止に陥り、指示待ち体質に逆戻りしている兆しが見え始めた。そうした印象を強く受けたのです。

 長期にわたって好調が続くと、組織にぶら下がり、指示待ち体質の人が増えてくるものです。これは何か手をすぐに打たないと業績低迷が長引くことになると憂慮しました。

成果主義で利己的な社員が幅を利かすようになった

 「これは問題だ」と思っていたことが実はもう1つあります。それは、成果主義型の人事評価制度の弊害が目立ってきたことです。

 「自分さえ良ければいい」と考える社員が増えた。貴重な情報を手に入れても誰にも教えない。本来、上司は部下を育成しなければいけませんが、それより自分で成果を出した方がいいという考えが幅を利かすようにもなりました。

 私は銀行に勤務していた時、米国に6年間駐在したことがあります。その実体験に基づいて言うと、米国のように文化や歴史的な背景、さらには話す言葉さえも違う多様な民族から成り立っている国の企業は、成果主義を取らないと社員を束ねていけません。

 一方、日本はほぼ単一民族で文化も話す言葉も同じです。皆で一緒に田畑を耕して全員で幸せになろうとする「農耕民族」的な色彩が濃い。それを強みとして経営に取り込むことがやはり必要だと考えました。

社員に組織の枠を超えて自在につながってもらう

 今回の組織風土改革のポイントは、社員が縦割りの組織の枠を超えて横方向につながり、“チーム”を自在に編成することにあります。

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「「全員で幸せになる」日本の強みを取り戻す」の著者

中野目 純一

中野目 純一(なかのめ・じゅんいち)

日経ビジネス副編集長

2012年4月から日経ビジネス副編集長。マネジメント分野を担当し、国内外の経営者、クリステンセン、ポーター、プラハラードら経営学の泰斗のインタビューを多数手がける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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