• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

消費はいったいどこへ消えた?

2時間目 「需給ギャップ」は“チャンス”と捉える

  • 吉本 佳生

バックナンバー

2010年3月25日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

1時間目から読む

 経済学という学問は、人が一生懸命働くのは、何か欲しいモノがあるからだということを大前提にしています。要するに、「所得が増えたら、消費するに決まっている」という考え方です。

 これに対して社会学の先生は、それはあまりにも単純な議論で、物欲というものは無制限にわいてくるものではなく、むしろ欲望は社会的に作り出されると指摘してます。個人の自由の延長で消費が拡大するということではない、ということです。

 今回の世界的な景気低迷の背景にも、消費不足があります。景気が落ち込んだ直接のきっかけは金融危機だったのですが、金融危機はあくまでも引き金であって、根底にある大問題は消費不足なのです。

中国など新興国の消費に期待し過ぎ?

 過去数十年間、世界の消費を牽引してきたのは米国です。その米国に代わる消費の担い手として、今後は新興国に期待している人も多いのですが、少し過剰に期待しているように思えます。

 たしかに自動車やテレビといった個別の市場を見れば、新興国の存在は大きいのですが、たとえば中国は、かつての日本と同じように貯蓄率がすごく高いのです。とくに高所得者は、収入の半分も使わないで、お金を貯めてしまう。都市部でも農村部でも同じです。つまり、「使わないお金」がすごく増えているのです。

貯蓄率:中国の貯蓄率(家計貯蓄率=可処分所得に対する貯蓄の割合)は2008年に28%を超えて過去最高となった。これに対して、日本の貯蓄率は1975年にピーク(23%)となったあと、1990年代半ばに10%を割り込み、最近は3~4%で推移している。

 また、中国では、消費は着実に拡大しているのですが、同時に生産もどんどん拡大しています。そもそも中国の消費が増えているのは、まず生産が増えて、それを輸出して外貨を稼いで、所得が増えたからその一部を消費しているのです。

 生産が増えなければ消費も増えません。常に消費よりも生産のほうが大きくなって、国全体としては「つくりすぎ」の状況になります。だから中国というのは、消費が主導して経済を引っぱっている国ではありません。いつまでたっても日本と同様に、世界の消費不足を解消してくれるわけではなく、むしろ消費不足を生み出す国なのです。

コメント8件コメント/レビュー

将来の保障、年金がまともに貰えない、いつ会社からクビを言われるか等の不安要素だらけで、誰がお金を使うのやら。(2010/03/29)

「買わない時代の経済学」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント

いただいたコメント

将来の保障、年金がまともに貰えない、いつ会社からクビを言われるか等の不安要素だらけで、誰がお金を使うのやら。(2010/03/29)

現状が消費不足であることは自明ですが、なぜ日本は消費不足・貯蓄過剰になるのか?そこを読み解いて欲しい。今日の日本におけるさまざまな「不安」を消費不足の理由にあげる人がいるが(コメントしている方も含めてね)、消費不足の陥らないアメリカの現状が今の日本よりも不安が少ないわけでもない。アメリカの失業率は日本の倍も高いしね。今の日本人は自らの過剰な不安心理に自縛されている不安神経症なんじゃないだろうか?(2010/03/26)

経済学は全くの素人ですが、コメントを。そもそも今の世の中は分業であるがために、金を回すために「要らなくてもいいから金を使え。」と消費拡大を叫んでいるきらいがあります。これまでの消費拡大の結果が地球温暖化や資源問題であることを考えると、これらの対策は、見せかけやポーズとしての省エネよりも、消費を減らすことこそ基本であり、産業界の温暖化ガス排出削減につながります。(国際間の競争もありますが、最終的には財の消費国が真の温暖化ガス排出国として、その削減の責めを負うべきでしょう。)経済学は、今や消費拡大による経済成長を目指すのでなく、真の意味で如何に経済的な世の中を作るか、という学問にならねばならないのではないでしょうか。今の政治家などが唱える経済成長は、経済的どころか「不経済の奨め」です。世の中の金回りは、無駄な消費に頼るのでなく、政治が適正な分配で解決すべきところも大だと思います。(2010/03/25)

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

閉じる

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

日本の経営者は、経験を積んだ事業なら 失敗しないと思い込む傾向がある。

三品 和広 神戸大学教授