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消費はいったいどこへ消えた?

2時間目 「需給ギャップ」は“チャンス”と捉える

  • 吉本 佳生

バックナンバー

2010年3月25日(木)

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 経済学という学問は、人が一生懸命働くのは、何か欲しいモノがあるからだということを大前提にしています。要するに、「所得が増えたら、消費するに決まっている」という考え方です。

 これに対して社会学の先生は、それはあまりにも単純な議論で、物欲というものは無制限にわいてくるものではなく、むしろ欲望は社会的に作り出されると指摘してます。個人の自由の延長で消費が拡大するということではない、ということです。

 今回の世界的な景気低迷の背景にも、消費不足があります。景気が落ち込んだ直接のきっかけは金融危機だったのですが、金融危機はあくまでも引き金であって、根底にある大問題は消費不足なのです。

中国など新興国の消費に期待し過ぎ?

 過去数十年間、世界の消費を牽引してきたのは米国です。その米国に代わる消費の担い手として、今後は新興国に期待している人も多いのですが、少し過剰に期待しているように思えます。

 たしかに自動車やテレビといった個別の市場を見れば、新興国の存在は大きいのですが、たとえば中国は、かつての日本と同じように貯蓄率がすごく高いのです。とくに高所得者は、収入の半分も使わないで、お金を貯めてしまう。都市部でも農村部でも同じです。つまり、「使わないお金」がすごく増えているのです。

貯蓄率:中国の貯蓄率(家計貯蓄率=可処分所得に対する貯蓄の割合)は2008年に28%を超えて過去最高となった。これに対して、日本の貯蓄率は1975年にピーク(23%)となったあと、1990年代半ばに10%を割り込み、最近は3~4%で推移している。

 また、中国では、消費は着実に拡大しているのですが、同時に生産もどんどん拡大しています。そもそも中国の消費が増えているのは、まず生産が増えて、それを輸出して外貨を稼いで、所得が増えたからその一部を消費しているのです。

 生産が増えなければ消費も増えません。常に消費よりも生産のほうが大きくなって、国全体としては「つくりすぎ」の状況になります。だから中国というのは、消費が主導して経済を引っぱっている国ではありません。いつまでたっても日本と同様に、世界の消費不足を解消してくれるわけではなく、むしろ消費不足を生み出す国なのです。

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名和 利男 サイバーディフェンス研究所上級分析官