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「友愛」という甘い響きは、進取の気性を失わせる

権益の調整しか能がない政治家は、もういらない

  • タナカ(仮称)

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2010年3月31日(水)

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 前回、「世の中、何が起こるか分からない」と申し上げました。

 霧の中でどこに林檎の林があるか分からないなら、思いつくすべての方向に誰かが行ってみればよいのです。林が1つであれば誰か1人が、2つあれば2人が発見できるでしょう。

 その他全員は失敗しますけれど。

 この時、成功した1人ないし2人は自分の「ヨミ」に応じて先行者利得を得るべきです。しかしながら、これは多くの失敗者の努力の上に成り立った偶然であると考えれば、排他的利益を主張すべきではなく、全体の厚生水準の向上にも役立てるべきです。失敗者も再起する機会を得て、今度は李の林を探しに出てもよい。

 そうした相互扶助的社会システムを構想することが、今、必要なのだと思います。

「視点の固定化」が可能性の芽を摘む

 それは「友愛」社会じゃないかって? いえいえ、逆です。「友愛」社会は、排他的利益を固定化しようとするベクトルが強く働くからです。視点の固定化をもたらし、この国を「一つ目小僧」の巣窟にしてしまいます。

 1つ、例示しましょう。Qセルズ(ドイツ)の創業は1999年、サンテックパワー(中国)の創業は2001年です。いずれも、言わずと知れた太陽光パネルの世界的メーカーで、日本のシャープや京セラといった、技術力に優れ資本も潤沢な日本のエスタブリッシュメントを、シェアの面であっさり抜き去りました。

 シャープが世界シェアトップから陥落した時、「シリコンの調達がボトルネックになった」「政府の支援策が失速したことが主因」と説明されました。しかし、世界市場の将来性に着目していたら、国内の支援制度が失速しても増産計画は建てられたでしょう。中期的な増産計画が前提になれば、原料確保に配慮していたでしょうから、ある時シリコンが足りないことに気がついた、ということも起こらなかったのではないでしょうか。

 つまり、本質的な問題は、そこにありません。寡占状態にある大手企業の幹部の「ヨミ」というのは、当たることもあれば、外れることもある、ということが問題なのです。

 なにをアタリマエのことを?

 ではこれを、国家として判断の多様性が欠如している構造が問題、と言い直したらどうでしょう。それが一つ目小僧の呪縛です。

 太陽光パネルは1つのジャンルに過ぎません。「風力発電のほうが太陽光より普及が早く低コストである」と言われています。ここでも日本は遅れをとっています。あるいは太陽熱発電。日本政府はサンシャイン計画で実証実験を行い、あまり見込みがないとして放棄しました。何年も前に、資源エネルギー庁の関係者に「太陽熱も有望じゃないの?」と訊いたことがあるのですが、「以前に研究してダメだったからね・・・」と仰っていました。ちなみに、この方は環境問題に造詣が深く、クリーンエネルギー推進派に入れてもよいと思われる方です。

 少し前、日経ビジネスオンラインで、太陽熱発電の技術に日本政府が数億円を出さず、結局アブダビに特許を売られてしまった、との記事を見ました。ここでも同じことが起きています。

 少数かつ視点が同じ専門家の「卓見」に依存した意思決定。エリートの蹉跌。それが可能性の芽を摘んでいくのです。いろんな考え方でいろんな方法を実践する人がたくさんいれば、風力発電や太陽熱発電を手掛け、結果として成功した人がもっとたくさん現れたかもしれません。

日本人が無個性民族なんて迷信だ

 では、何と言えば。

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