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“買わない時代”を読み解く経済本57【Part2】

デフレからマクロ経済政策までベストセラーの教科書で学ぶ

  • 日経ビジネスオンライン編集部

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2010年4月5日(月)

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【Part1】から読む)

 経済政策についての議論で出てくるのが、乗数効果だ。N・グレゴリー・マンキューの世界的に売れている教科書『マンキュー経済学II マクロ編(第2版)』はこう説明する。

「乗数効果」って何?

 「政府がボーイングから200億ドルの財を購入すると、その購入によっていろいろな影響が生じる。政府の需要の増加によってすぐに表れる影響は、ボーイングの雇用と利潤の増加である。このとき、企業の所有者と労働者はそれぞれ利潤と所得の増加に反応して、消費財への支出を増加させる。その結果、政府がボーイングから戦闘機を購入することによって、経済の他の多くの企業の生産物への需要も増加する」

 このマンキューの教科書の冒頭で説明される「経済学の十大原理」を紹介しよう。

(1)人々はトレードオフ(相反する関係)に直面している

(2)あるものの費用は、それを得るために放棄したものの価値である

(3)合理的な人々は限界的な部分で考える

(4)人々はさまざまなインセンティブ(誘因)に反応する

(5)交易(取引)はすべての人々をより豊かにする

(6)通常、市場は経済活動を組織する良策である

(7)政府は市場のもたらす成果を改善できることもある

(8)一国の生活水準は、財・サービスの生産能力に依存している

(9)政府が紙幣を印刷しすぎると、物価が上昇する

(10)社会は、インフレ率と失業率の短期的トレードオフに直面している。

 ノーベル経済学賞学者であるケインズ派のジョセフ・E・スティグリッツ『スティグリッツ入門経済学(第3版)』もテキストとして世界の標準となっている。

マンキュー経済学IIマクロ編(第2版)』
N・グレゴリー・マンキュー
(東洋経済新報社)4200円
スティグリッツ入門経済学 <第3版>』
ジョセフ・E・スティグリッツ他
(東洋経済新報社)3675円

 乗数効果は、ケインズ経済学の重要な理論だが、伊東光晴『現代に生きるケインズ』は、ポール・サミュエルソンやスティグリッツなど米国のケインズ派の乗数効果の理解は間違っていると主張する。

 日本を代表するケインズ派の小野善康『不況のメカニズム』は、ケインズの『一般理論』から出発して平成不況のデフレ分析に切れ味を見せる。デフレが深刻化すると恐慌になる。最近復刊された宇野弘蔵『恐慌論』はやや難しいが、マルクス派の鋭い資本主義分析として有名だ。歴史から学ぶなら竹森俊平『世界デフレは三度来る』がいい。

現代に生きるケインズ』伊東光晴
(岩波新書)777円
不況のメカニズム』小野善康
(中公新書)819円
恐慌論』宇野弘蔵
(岩波文庫)819円
世界デフレは三度来る』竹森俊平
(講談社)各2730円

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