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鳩山首相の“ASEAN回帰”に期待する

「東アジア共同体」より既存の枠組み強化を

2010年4月5日(月)

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 成長を続け、市場開放が進む中国や東南アジア諸国連合(ASEAN)。市場の一体化で恩恵にあずかれるのは「輸出型」企業だけではない。むしろ日本国内を主戦場とする「内需型」にとってこそ、好機と言える。

 東アジア市場の一体化が進み、地域共同体設立の機運も高まっている。これに対し東南アジア諸国連合(ASEAN)はどのような立場を取るのか。日本に期待することは何か。スリン・ピッスワンASEAN事務局長に聞いた。

(聞き手は宇賀神宰司=日経ビジネス記者)

スリン・ピッスワン氏
1949年タイ生まれ。米国ハーバード大学で政治学、中東研究を専攻し、74年に修士号、82年に博士号を取得。75~92年、タイの英字紙「The Nation」と「The Bangkok Post」でコラムニストとして活躍。92年からタイの外務副大臣、1997年から2001年まで外務大臣を務める。その後は、国連などの国際機関の主要ポストを歴任。2008年、タイ政府及び他のASEAN加盟国の承認を得てASEAN事務局長に就任、任期は2012年まで(写真:Achmad Ibrahim、以下同)

 ―― 各国の利害が絡む中、東アジアの地域連携はどのように進展していくのでしょうか。

 ピッスワン 経済成長を続けていることから、東アジア地域はかつてないほど世界から注目されています。世界経済危機を払拭するため、東アジアに活路を見出そうとしているのです。

 多くの人が東アジアにおける新しい仕組みや組織を提案しているのは、東アジアが経済的に重要で大きな影響力を持っていることの裏返しとも言えるでしょう。

新しい仕組みや組織は必要ない

 しかし、東アジアには既にASEANやASEANを核としたFTA(自由貿易協定)の枠組みがある。これ以上、新しい仕組みや組織は必要なく、むしろ既存の関係を一歩、一歩確実に推し進めていくことが重要です。

 例えば、地域統合のメンバーとしてASEANに中国、日本、韓国を加えた「プラス3」、さらにインド、オーストラリア、ニュージーランドを加えた「プラス6」の2つの枠組みが既にあります。どちらかを選択するのではなく、それぞれに得られる利益と解決すべき課題を話し合って同時に関係を強化していくべきです。

 ASEANはそのために中心的な役割を果たしてきたし、今後もリーダーシップを発揮していきたいと考えています。

 ただし、ASEAN自体は中小国の集まりです。それ自体、大きな力も影響力もそして脅威を与えることもありません。緩やかな国家連合である点で、欧州連合(EU)や北米自由貿易協定(NAFTA)などとは性格が異なります。逆に言えば、ASEANは排他的ではなくオープンな組織です。巨大な経済を動かすテコとして今後も機能していくでしょう。

「東アジア共同体」構想は聞かなくなった

 地域連携には時間がかかります。ASEANも1967年の設立から40年以上をかけて少しずつ連携を深めてきました。2015年までに域内10カ国で関税を撤廃する「経済共同体」の実現を目指していますが、今まで同様に進むでしょう。

 ―― 鳩山由紀夫首相は「東アジア共同体」構想を打ち出しています。

 「東アジア共同体」実現のためには、新しい枠組みを考えることよりも、既存の枠組みを改善、強化し深めていく必要があると思います。

 ただ、鳩山首相の構想は民主党政権を樹立した当初こそよく耳にしましたが、その後はあまり聞かなくなったというのが正直な感想です。構想に関する公式な発言もありません。

 就任後、ASEANを何度か訪問する中で、(東アジアという枠組みより)ASEANを重視した連携を考えるようになったのだと私は推察します。

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「鳩山首相の“ASEAN回帰”に期待する」の著者

宇賀神 宰司

宇賀神 宰司(うがじん・さいじ)

日経ビジネス記者

日経クリック、日経ベンチャー(現・トップリーダー編集などを経て、2007年1月から日経ビジネス編集記者。流通、中小ベンチャー、マネジメント、IT(情報技術)を担当する。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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