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ギリシャ支援策は「欧州問題」の解決にならず

景気後退で表面化した通貨統合の光と影

2010年4月15日(木)

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 欧州の歴史書の記述は、古代メソポタミアやエジプトで始まる。しかし、それは欧州の歴史に先立つ事象として語られ、現代の欧州に至る直接的な起源は古代ギリシャに求められるのが普通だ。今回は、そのギリシャが欧州の根源を揺さぶる震源地となっている。

当面の資金繰り問題は回避

 3月25日、昨秋以来のギリシャ財政危機への対応策で欧州首脳は合意に達した。ギリシャは昨年秋の総選挙の結果、政権交代が実現し、新政権のもとで財政状況を精査したところ不適切な処理が発覚、2009年の財政赤字が従前の公表値の4倍にものぼるGDP比12.7%に達することが明らかになった。

 ドイツとギリシャ国債の利回り格差は、2001年のギリシャのユーロ参加からリーマンショックまで平均0.3パーセントポイント程度で推移していたが、金融危機と、財政赤字の大幅上方修正を受けてギリシャ国債の信用力が低下。利回り格差は一時4パーセントポイント近くまで拡大していた。

 ギリシャ政府は、4~5月に大規模な国債償還を控え、市場での借り換えが必要となっている。仮にこれが困難に陥った場合でも、今回の合意によってユーロ参加国政府の2国間融資と国際通貨基金(IMF)融資が安全弁の役割を果たすことが期待される。

 そのため、結果的に債務不履行に対する市場の懸念を軽減し、当面の資金繰り問題を回避することが狙いとみられる。

支援額は十分、されど…

 詳細は今後の発表を待たねばならないが、IMFと欧州側の融資額は1対2の割合とされ、欧州側が支援の主導権をとる。融資額は200億~220億ユーロとされている。ギリシャ政府の今年の国債償還額は250億ユーロ程度であるが、既に償還資金の一部を調達済みであり、万が一の場合の支援額としては十分と評価できる。

 欧州中央銀行(ECB)も、金融危機をうけて、2010年末までの時限措置としていたオペ適格担保の拡大を2011年以降も継続する方針を発表し、側面からギリシャ国債格下げに対する懸念を和らげた。その一方で、格付けに応じて割引率を変えることで、参加国が財政規律を緩めることがないようにバランスをとった。

 ポルトガル国債が、一部格付け機関によって格下げになるなど、ギリシャ問題を契機に財政状況が悪化している欧州諸国の国債の信用力にも市場の懸念が広がっていることも、欧州首脳に合意を促したとみられる。

 今回の措置はギリシャ政府向けのものであるが、今後、同様の財政的な困難に陥った参加国にも適用できるより一般的な仕組みに発展させる意向も合意文書の中で示唆されており、こうした懸念を和らげることも欧州当局者の狙いであろう。

切り札にならず金利格差はむしろ拡大

 しかし、ここまでの市場の評価は芳しくない。

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「ギリシャ支援策は「欧州問題」の解決にならず」の著者

池田 琢磨

池田 琢磨(いけだ・たくま)

ノムラ・インターナショナル

野村総合研究所、郵政研究所、野村総合研究所アメリカ、ノムラ・セキュリティーズ・インターナショナルを経て、2007年より現職

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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