就職氷河期に慌てているのは大学も同じだ。就職内定率が大きく落ち込めば、「就職に弱い」という評判が広がり、受験の志願者数の減少にもつながる。日本の大学卒業生のうち、就職希望者はこの20年で1.5倍の45万人程度にまで増えた。大学生が増えすぎれば、就職が難しくなるのは当然だ。これからも長く続きそうな氷河期は大学の淘汰を加速させる。生き残るためには「就職に強い大学」に飛躍するしかない。
数少ない成功大学とされるが中京大学だ。フィギュアスケートの浅田真央選手が学ぶことで有名なスポーツ強豪校だが、この10年間で偏差値を10以上も高め、就職実績も難関大学レベルになっている。この改革を担ってきた同大学の増田栄太郎・入試センター部長と、藤形正俊・キャリアセンター部長に、これまでは門外不出としてきた「成功の秘密」を聞いた。
(聞き手は佐藤紀泰=日経ビジネス編集委員)
改革しても定員を増やしてはならない
――中京大学・入試センター部長、増田栄太郎氏
―― 増田さんは、2001年にベネッセコーポレーションから招かれました。大学向けのコンサルタントとしてカリキュラム改革などで活躍された専門家の目から見て、中京大学にはどのような課題があったのでしょうか。

増田 2001年に初めて、名古屋市内のキャンパスに来て、驚きました。中庭には金髪で、だらしない恰好をした学生がたくさんいた。それこそ、バンクーバー五輪で話題になった「腰パン」のような姿の学生たちです。
毎年1つ目玉の改革をぶち上げる
これは大変だと思いましたね。2000年には受験の志願者数が10年前に比べて半分近い2万人ぐらいになっていました。とにかく、学部やカリキュラムの抜本的な見直しが必要だと思って、いろいろ取り組みました。
―― 具体的にはどのようなものでしょうか。
大切なのは、毎年1つ目玉を作り、それを学生や高校の進路指導の先生にアピールすることです。広告宣伝費がふんだんにあるわけでもありませんからね。
例えば、2002年には国際英語学科では15人の能力別クラスに再編成し、1年生から海外で3週間の語学研修をやるようにした。3年生では海外企業へのインターンも始めた。2005年には商学部を総合政策学部にして、ビジネス政策や行政政策を研究できるようにしました。
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