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甘ったれるな! 中年

養老孟司さん(72歳)作家・東京大学名誉教授

  • 日経マネー編集部

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2010年4月22日(木)

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 おカネの不安を常に抱えて生きていくのは、つまらない。年齢を重ねるほど素敵になる人、新しい夢を見続けている人、わくわくと生きる人たちはどのようにおカネを活かし、殖やしているのでしょうか?

 目先の勝ち負けや体裁より自分らしく暮らすことを大事にし、不景気だからと縮こまらず、ときに大胆に投資する。賢人50人の声を収録した「私のマネー黄金哲学」(日経BP社)の中から5人をご紹介します。

 ―― 老後のおカネが不安という方が多い。リタイア後に向けての資産運用はしていますか?

養老 孟司(ようろう・たけし)氏
1937年鎌倉市生まれ。東京大学医学部を卒業、解剖学教室に入る。95年東京大学医学部教授を退官し現職。趣味は昆虫採集で、2005年に建てた箱根の別荘は「養老昆虫館」(撮影:大槻 純一)
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 養老 貯蓄は苦手で、結婚するまで貯金は一銭もありませんでしたし、今もあると使ってしまうタイプ。この年齢になってもこんなに忙しいのは、好きなことをする時間のために稼ぐ時間をあんばいしなくちゃいけないからです(笑)。

 けれども世代的に、将来のおカネに対する不安というのは全く感じませんね。なぜかというと、おカネの価値が完全に破裂してしまった時代を知っているからです。

 うちの父は戦争中、昭和17年に結核で死にましたが、僕の大学の学費を賄えるだけの保険金を残してくれました。ところが戦争に負けた後、猛烈なインフレが起こり、さらに新円への切り替えがあって、それまでのおカネはあっという間に全部紙くずになってしまった。

 当時僕は小学校低学年で、自分でおカネをどうこうする年齢ではありませんでしたが、「おカネなんてあてにならない」ってことは肌身に染みて理解しました。

 おカネとは要するに人間が作った約束事、ためてもいざというときにどうなるかは分からない。ならば天下に回しておけばいいっていうのが僕の考え方です。

何のために生きるのか、中年になってこそ自問を

 ―― 「おカネがあれば安心」という感覚がそもそも違うと。

 昭和20年8月15日を境に価値観ががらりと変わってしまう経験をしましたから、人間の意識なんて頼りにならないというのが根本にあります。客観的な事実なんてものも、この世にないんですよ。

 僕がよく受ける質問が、「先生は1日に何本たばこを吸いますか?」です。なぜそんなことを数えなきゃならないんだと。答えをいったからって何かが分かるのかと。むしろそんなものは数える方が体に悪いでしょう(笑)。

 おカネの話もそれと同じで、1億円持っている、だから何なんだと。

コメント19件コメント/レビュー

納得です。要するにあなたは本当に好きなこと、やりたいことがありますか。と養老先生は訊いているのだろうと思います。金を得るために働くのではない。金を得て何をしようとしているのか。多くの人はそれがいまいちなんだと思う。命を懸けてでもやりたいこと。それを問い続けることが、幸せへの道なんだろうとおもう。(2010/05/18)

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納得です。要するにあなたは本当に好きなこと、やりたいことがありますか。と養老先生は訊いているのだろうと思います。金を得るために働くのではない。金を得て何をしようとしているのか。多くの人はそれがいまいちなんだと思う。命を懸けてでもやりたいこと。それを問い続けることが、幸せへの道なんだろうとおもう。(2010/05/18)

このコラムのお言葉、金に心配がないから、言えるお言葉ですね。サラリーマンには関係ないな。(2010/04/26)

お金も学歴も本来は「手段」でしかないのに、それを人生の目的に据えてしまった人が多過ぎるのが現状なのではないでしょうか?「お金を稼ぐ・貯める」事が人生の目的と化してしまい「お金は使ってこそ生きる」という真理を理解できていない人が、いつまでたっても守銭奴から解脱できず、自分も周りも不幸にしていく光景は、その余りの悲惨さにもかかわらず滑稽ですらある。(2010/04/26)

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ジェニー・ダロック 米ピーター・F・ドラッカー伊藤雅俊経営大学院学長