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「国有企業が拡大して、何が悪い」

“官が民を呑む”買収劇、中国で相次ぐ

2010年5月10日(月)

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 日本では「仕分け」作業によって独立行政法人の見直しが話題を集めている。実は中国でも、同じように「官業」についての議論が盛んになっている。

 昨年後半から中国の経済論壇で話題なのが、「国進民退」問題。その名が示すとおり、政府がコントロールする国有企業の存在がどんどん大きくなっており、民間企業のビジネスを圧迫しているのではないかという議論だ。

初の国有による民間買収劇

 「国進民退」と言ってもその意味するところは多種多様である。ただし、現象で見ると、国有企業による民間企業を対象としたM&A(合併・買収)が分かりやすい。

 つい最近、象徴的な事例が1つ加わった。4月26日、中国の五大自動車メーカーの1つである広州汽車が、上海の南側、浙江省にある民間自動車メーカー、浙江吉奥汽車の買収を発表したのである。

 吉奥汽車はピックアップトラックやワゴン車などを中心に生産・販売している。ただ、同社の販売台数は低迷しており、2009年は約4万8000台にとどまった。中国の市街地でもこの会社のクルマを見ることはほとんどない。

 ホンダやトヨタ自動車の合弁パートナーでもある広州汽車が、その吉奥の51%の株式を取得、合弁会社「広汽吉奥」を設立するというスキームだ。

日産、ホンダのパートナーも「三線企業」

 広州汽車の中国メーカー買収はこれが初めてではない。昨年、湖南省にある長豊汽車の株式のうち29%も取得している。長豊汽車は「三線企業」とも呼ばれる国有企業である。1960年代、中国では戦争を想定して軍需産業を沿海部から内陸部に移転させた。四川省など、この内陸部を「三線地域」と言い、移転した企業を三線企業と呼ぶ。

長豊汽車の工場内(写真:谷口徹也)
画像のクリックで拡大表示

 ちなみに、日産自動車やホンダの合弁パートナーである湖北省の東風汽車もかつての名称は「第二汽車」で、この産業移転政策によって内陸部に生まれた国有企業だ。

 中国ではあらゆる業種で、こうした「地方の国有企業」が存在する。それは結果として、多過ぎる企業数やその結果としての同質競争、過剰設備といった構造問題の根本的な原因となっており、政府主導で再編が進められている。

 一方、吉奥はれっきとした民間企業。再編が進む中国の自動車産業でも、国有企業が民間企業を買収するのは初めてのケースだった。それもあって、中国内でも注目されたが、両社トップは発表会見で今回の買収の「国進民退」的側面をきっぱりと否定した。

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「「国有企業が拡大して、何が悪い」」の著者

熊野 信一郎

熊野 信一郎(くまの・しんいちろう)

日経ビジネス記者

1998年日経BP社入社。日経ビジネス編集部に配属され製造業や流通業などを担当。2007年より日経ビジネス香港支局に異動、アジアや中国に関連する企画を手がける。2011年11月に東京の編集部に戻る。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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