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ユーロは短期的に急反発する

ユーロ安進行の「速度」と「値幅」、そして「水準感」

2010年6月17日(木)

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 欧州、そして、ユーロ悲観論が花盛りである。目下の論点は、ユーロの構造上の欠陥と、その結果としての債務問題、そして、当局の対応などだ。ユーロ相場の先行きについても、このまま大幅下落が続くことへの警戒ムードが非常に強い。

 既にご承知の読者も多いだろうが、ユーロの構造上の欠陥とは、単一通貨の導入により格差是正を促す通貨調整機能が失われ、域内の不均衡が拡大したことである。

 筆者も、域内不均衡とそこから派生する欧州の構造問題は、対応に急を要する最重要課題との見方にある。また、ユーロ相場についても、長期下落トレンドの途上にある、との予想を維持している。

 しかし、その一方で、以下に述べる理由から、ごく短期的には、むしろ、急反発を警戒する局面に差し掛かった可能性が高い、と考えている。

そろそろ「下げ一服」の可能性高まる

 まず、今回のユーロ安進行の「速度」と「値幅」、そして「水準感」を見てみよう。

 昨年12月以降、本格的な下げ軌道に乗ったユーロドル相場は、先月5月まで、6カ月間連続で下落している。ドイツマルク時代も含め、これに匹敵する記録は2000年4月までの7カ月間であり、揺り戻しのない「直線的な下落期間」としては、ほぼ過去最長に並んできた格好だ。

 また、下落率を見ると、既述の2000年4月までの7カ月間で約15%であったのに対し、先月5月までの6カ月間の下落率は約22%。近年では最大幅の下げ相場となった、リーマンショックを挟む2008年7月から10月の下落率、約23%にほぼ接近してきている。

 さらに、現行水準である1ユーロ=1.20ドル絡みの価格帯は、ユーロ発足以来の平均値(1.18ドル)や、高値安値の半値戻し(1.21ドル)、そして、購買力平価(1.22ドル)などの目処値が集中するテクニカル上の重要なポイントでもある。思えば、1999年1月の初回取引水準も1.18ドル、そして、2004年以降のユーロ上昇相場の起点も1.17~1.18ドル絡みの水準にあった。

 こうして、ここに至る下落基調の「速度」や「値幅」、そして、「水準感」などから示唆されるのは、目先的に「下げ一服」となる可能性である。つまり、つるべ落としの調整地合に、一定の達成感が醸成され、下落ペースがやや緩和する可能性は高まっているのではないか、と考えられるわけだ。

投機ポジションは過去最大

 こうしたテクニカルな視点に加えて、ごく短期的な反転上昇リスクをのぞかせているのが、過去最大規模に積み上がった、ユーロ売りの投機ポジションだ。シカゴ通貨先物市場で投機筋が保有するユーロのネットポジションは、昨年12月を境に売り越しに転じ、5月初旬にかけて、過去最大を更新しつつ、急拡大を続けてきた。

 こうした動きから、ギリシャ問題を端緒として、「ユーロ安でひと儲け」を狙う投機の動きが活発化したことがうかがえる。さらに、その後「ギリシャ問題」は「欧州ソブリン危機」に発展したが、手元流動性などの取引環境は、投機筋の動きを鈍化させるほどの危機的レベルには達しなかったようだ。

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「ユーロは短期的に急反発する」の著者

武田 紀久子

武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

1989年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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