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経済学で考える「事業仕分け」の意味

【第1回】トレードオフとインセンティブを学ぶ

2010年6月18日(金)

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 まず最初にお断りておきしますが、社会科学という学問分野の1つである経済学には、誰もが納得する正しい答えはありません。

 今、財政再建をめぐって、消費税を上げた方がいいのか、歳出をカットした方がいいのか、赤字国債を出した方がいいのかと議論が分かれています。このように議論が分かれるということは正解がないということであり、考える人によって結論が違うということです。

 従って、ここで私が述べることが正しい答えとは限りません。読者のみなさんは別の考え方を持っても構いません。ただし経済学には考え方の枠組みがあります。この枠組みを知っていると、知らない人よりも経済のことがよく分かります。この講座ではこのことをぜひ、知っていただきたいと思います。

経済学とは我々の身の回りの問題そのもの

 今回は経済学の基本的な考え方と、それが現実の問題にどのように関係しているのかについてお話をしたいと思います。

 まず最初に、経済とは何かについてです。

 経済というと「経済のことは難しくてよく分かりません」という反応がよくありますが、決してそんなことはありません。我々が日ごろ行っていること、つまりみなさんが、朝ご飯を食べて、電車に乗って、バスに乗って出かけること、これは全部、経済活動です。

 毎日飲んで食べ、服を着るということは、全部誰かの所得になり、誰かの生活を支えています。私たちが日々行っていることは全部、経済活動なのです。

 「経済は株」だと思っている人もいます。ゼミで学生を募集する時、なぜ私のゼミを選んだのかを聞くと、「経済を勉強して株で儲けたい」という人が結構多い。

 もちろん株も経済ですが、経済を勉強すれば株で儲けられるかというと、決してそんなことはありません。なぜならば、そうであれば私は絶対に株で儲けているはずですし、私は絶対に金持ちのはずです。ところが全然そんなことはない。経済学を知っているからといって金持ちになれるとは限りません。

 経済学は難しいとか、経済学とは株のことだなどと考えず、経済学は我々の身の回りの問題そのものだと考えていただきたいと思います。経済学を勉強すれば、現実に適用できる新しい道具が持てるのです。

時間軸で分けて問題を整理する

 日本の経済全体が直面する問題は山のようにあります。このように問題が多くある時は分類するのが基本です。

 ここでは時間、そして国内・国際に分けてみます。

「時間」と「国内・国際」2つの軸で整理した日本経済の課題(『新しい経済の教科書』33ページより)

 時間は短期、長期、超長期で区切って考えます。短期の問題は景気です。10年後の景気がどうなっているかを考えてもあまり意味がありません。

 5年、10年の長期で経済を考えるといろいろな問題が出てきます。まず財政の問題です。日本の財政は大赤字の状態です。国の歳出の半分以上は借金で賄っているという状態です。ギリシャが財政危機で問題になっていますが、いろいろな指標で見ると日本の財政状況の方がギリシャより全然悪い。次は日本ではないかと言う人も出てきています。

 それから、年金や医療の問題です。今の年金システムは必ずしも長期的に安定したシステムになっていません。これを何とかしないといけないという問題があります。

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「経済学で考える「事業仕分け」の意味」の著者

小峰 隆夫

小峰 隆夫(こみね・たかお)

法政大学大学院政策創造研究科教授

日本経済研究センター理事・研究顧問。1947年生まれ。69年東京大学経済学部卒業、同年経済企画庁入庁。2003年から同大学に移り、08年4月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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