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求められるべきは「売る」アドバイスができるコンシェルジュ

将来への期待に満ちて「買う」のは決して難しくない

  • 立田 博司

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2010年8月5日(木)

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 これまで、「普通の人が自分で運用するのはたいへん難しい」「にもかかわらず、金融機関は助けてくれているようで、実は運用の最も難しい部分を『自己責任』という言葉でお客様に転嫁してしまっていること」について考え、投資信託業界における販売会社と資産運用会社の現状と課題について、日本と米国をそれぞれ概観してきました。今回と次回はこれまでの理解を参考にして、いよいよ投資信託、そして資産形成市場のあるべき姿について、述べることにします。

 第6回では、「投資信託が元本保証をされない変動商品である以上、購入した結果に対する究極の責任は個人顧客の自己責任に帰結することは仕方がないことなのかもしれません。でもこの曖昧な自己責任に甘えて、販売会社やその営業、そして運用会社は、自分たちが本来分担しなければならない責任とそのための努力を放棄して、安易な方向にばかり流れていないだろうか」「それぞれがどのような責任を持てば、個人の自己責任がより意味のある明確なものになり、その結果もより良いものになるのだろうか」という問題意識を持ちました。

 今回はまず、顧客に投資信託を届ける販売会社が、どのように責任を分担すれば全体として最適な流れが実現できるのか、理想的な販売のあり方について考察を進めていきます。第5回では、少子高齢化の中で自己責任が求められるとともに、「ライフサイクルを通した資産の全体最適化」という資産形成の考え方が重要であること、それを受けて第6回では、顧客の立場に立って顧客のニーズに合わせて「あらゆる金融商品」を組み合わせることによって資産形成を手伝うことが販売に求められている、と述べました。

価値観を知れば購入すべき商品が見えてくる

 私がこれまで経験して得た顧客のニーズは、実は個別商品の選択をするという最終決断のもっと前の段階にこそあるのではないかと思います。それは、まず自分の人生の価値観をよく知ることから始まります。何に価値をおいてどんな人生を送りたいのか、自分の家族の夢は何なのか、どのようなことにお金を使いたいのか、老後の過ごし方はどうしたいのかなどなど。もちろん今の時点で自分でも分からないことが多くても、思い描いてみることによって浮かび上がってくることは多いようです。

 次に収入や資産・借り入れといった家計の現状を分析し、さらに家計が人生の様々なイベントとともにどのように変化していくのか、具体的なライフプランを描いてみます。今保有している不動産や自動車といった固定資産から、生命保険・損害保険、そして預貯金・投資商品に至る様々な資産はもとより、負債である住宅ローンも含めて、全体を時間軸の中で把握していくのです。こうした家計分析の過程で、ムダなお金の使い方が浮かび上がり、現時点でより効率的な資産・負債構成に変えることができるかもしれませんし、人生のステージを現実的なお金に置き換えてみることで実感できることも多いと思います。

 そのうえで、自分の目標とする人生を送るために資産形成をどのように行なっていけばよいのか、リスクに対する自分の価値観も含めて、深く検討することになります。そこで初めて、どのような商品を購入するべきかが見えてくるのです。商品を販売する際にも、顧客のニーズをじっくりと把握することから始まり、それに対する包括的な提案をする中で、個別の商品を勧めるのが本来の姿ではないかと思います。

 大半の大手金融機関のように、顧客のニーズの把握を簡単にして、個別商品の売り込みばかりするようでは、顧客自身がその前の段階の最も難しい分析を自分でしなければならないのです。それは個人顧客にとっては無理ですから、自己分析やニーズの把握もないままに、とりあえず商品を購入している、というのが現実ではないでしょうか。

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