まず、第1回から第4回までの筆者の主張を簡単にまとめておこう。
・第1回 「財政再建」なんて自殺行為だ
・第2回 ギリシャ破綻と日本をダブらせる愚
・第3回 「国の借金」意味分かって使ってる?
・第4回 デフレ環境下でインフレ対策を叫ぶ
日本は現在、需要不足(デフレ)の上に過剰貯蓄状態で、銀行などの預金超過額が増大し続けている。
デフレにより民間の資金需要が高まらず、銀行などの国内金融機関は「国債を買うしかない」有り様で、日本政府が発行する国債の金利は世界最低水準で推移している。結果、日本国債は95%が国内投資家に購入されており、かつ通貨は100パーセント日本円建てで、自国で金利調整が可能である。
それを、経常収支赤字国ゆえに国内の貯蓄不足に悩み、国債消化の7割を海外投資家に依存し、しかも自国で金利調整が不可能なユーロ建てで販売しているギリシャと「負債残高」のみで比較し、「破綻だ」などと騒ぎ立てることはナンセンス。
日本の長期金利低迷は、市場が「もっと国債を発行して欲しい」とサインを送っているに等しく、日本政府は国債発行、財政出動によりデフレギャップを埋め、民間の資金需要が高まり、名目GDPの成長や健全なインフレをもたらすように支出を拡大するべき。
「ある官庁」が格付け機関に送りつけた意見書
実は、2002年に「ある官庁」が、外国の格付け機関に意見書を送りつけている。その意見書上では、筆者と全く同じコンセプトに基づく「日本国債」に関する解説が展開されていた。その一部を引用してみよう。
「日・米など先進国の自国通貨建て国債のデフォルトは考えられない。デフォルトとして如何なる事態を想定しているのか」
「マクロ的に見れば、日本は世界最大の貯蓄超過国。その結果、国債はほとんど国内で極めて低金利で安定的に消化されている」
「日本は世界最大の経常黒字国、債権国であり、外貨準備も世界最高」(注:2002年当時)
上記は、別に筆者が加筆修正したわけでも何でもなく、この文章のまま意見書要旨として掲載されている。
ちなみに、想像はついたかも知れないが、上記の「意見」を欧米格付け機関にぶつけ、日本国債に関する格付けの異常性に対し、堂々と苦情を申し立てた素晴らしき(注:皮肉ではない)官庁は、何を隠そう財務省である。
英文【Summary of letter to the rating agencies】
公共投資はピークの半分にも満たない水準
さて、政府が「財政出動」するとして、何に使うべきなのか。
誤解している人が多いので、まずはその点から改めておきたい。現在の日本国内における公共投資の額は、決して多くない。というよりも、少なすぎる。
いまだに、
「日本は公共投資が多すぎる! 減らすべきだ!」
などと叫んでいる人を、時折テレビなどで見かける。あの方々は、果たして何を根拠にあのような「嘘」を叫んでいるのだろうか。そもそも、日本の公共投資の額について、1度でも数値データを見たことがあるのだろうか。甚だしく疑問である。
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