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高級車買いあさるチャイナマネー

ドイツと中国の“オイシイ”関係

2010年9月16日(木)

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 ドイツからの中国向け自動車輸出が絶好調だ。自動車だけに限れば6月の中国向け輸出金額は前年比152.6%を超える大幅な増加が続いている。この2年あまり続いていた経済危機の最中ですら、中国への輸出減少は小幅にとどまっていたことを考慮すれば、2010年1~6月期に前年同期比で241.2%も拡大したことは驚きに値する。

増え続けるドイツから中国への自動車輸出

 中国側の統計でも、中国内での自動車需要は依然として力強いことが見て取れる。全体に自動車の販売は好調とはいえ、車種別に見れば国産のみならず輸入車販売の伸びも大きく、特にベンツやBMWといったドイツの高級車が売れているようだ。不動産価格が高騰する中、家は買えないが外車は買える、ということかもしれない。

 もちろん、独自動車メーカーの工場は中国国内にもあるが、そこで作られた“メイド・イン・チャイナ”のドイツ車ではダメらしい。在中国経験が長い筆者の同僚は「中国で作るドイツ車よりも海外から輸入した車が売れる」と言う。いわゆる「海外直輸入」であることに意味があるというわけだ。それならば、おそらくユーロが対人民元で高くなろうとも、ドイツから輸入される高級車の売れ行きが大幅に落ちるというような影響は少ないかもしれない。

中国はドイツに汎用品を大量輸出

 しかし、独中貿易の全体像をみると、これだけ中国向け輸出が伸びているにもかかわらず、ドイツは2010年前半、37.6億ユーロの対中貿易赤字であった。ドイツと中国との貿易関係を財別に見てみると、以下の図表のとおりになる。

 この図表から読み取れることは、ドイツが対中黒字を保っているのは自動車や化学関連品といった、独自の技術や優位性を持っている高付加価値分野に限られるということだ。逆に、自動車以外のオフィス用、あるいは通信用機器といった低付加価値商品や食料品といった日用品は、中国からドイツに流入している。

 「モノ」の流れを見る限り、高付加価値品に的を絞って輸出するドイツと、汎用品に的を絞って輸出する中国という、両国それぞれの得意分野を生かした貿易関係が見てとれる。しかし、全体としては幅広い中国製品の流入が今のところは量で勝り、街中でも中国製品を目にすることが多いということになる。

マネーフローは中国からドイツに

 では、両国間の「カネ」の流れはどうなっているのか。無論、中国からドイツへの輸出が拡大すれば、その代金は中国に流入することになるが、そのほかにも両国間には積極的な資金フローがある。

 両国間の資金移動をドイツ連銀が発表している対中国の国際収支統計から確認すると、同じく2010年前半、独中間のマネーフローは、ネットで21.8億ユーロの中国からドイツへの資金流入であった。単純に数値だけを追えば、同時期に貿易面で流れ出た資金の6割程度の金額が中国からドイツに還流していることになる。

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「高級車買いあさるチャイナマネー」の著者

吉田 健一郎

吉田 健一郎(よしだ・けんいちろう)

みずほ総合研究所 欧米調査部/市場調査部

1972年東京都生まれ。96年一橋大学商学部卒業、2012年ロンドン大学修士(経済学)。富士銀行(現みずほ銀行)新宿西口支店入行。98年同国際資金為替部にて対顧客為替ディーラー。2004年よりみずほ総合研究所に出向し、08年よりロンドン事務所長。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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