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増える若者と働き盛りの長期失業

【第13回】不況が雇用に及ぼした影響を4つの指標で見る(2)

  • 澤井 景子

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2010年9月24日(金)

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 今回は、前回触れた、日本の雇用調整のパターンの3段階目、新卒採用の調整を示す指標から見ていきます。

 下のグラフは、日本銀行の「全国企業短期経済観測調査」、通常「短観」と呼ばれる調査を基にしたものです。6月と12月に新卒者の採用計画の前年比を取っていますので、これを見てみます。やはり最近、新卒採用が非常に抑制されていることが分かります。

 日本の場合、慣習としてまず新卒で会社に採用され、その会社の中で能力を高めていくという労働慣行になっていますから、新卒で就職できないと、後々まで人生に大きく影響してしまいます。それが示されたのは1994年ぐらいから長きにわたった就職氷河期です。

 新卒で就職できなくて、非正規になってしまい、その後もずっと非正規で、なかなか生活できるだけの賃金を稼げないという、いわゆる、ロストジェネレーションの問題があります。

2010年の新卒採用は前年比20%減

 グラフのように、2009年は前年に比べて10%近く新卒採用を減らし、2010年はさらに20%ぐらい採用を減らすわけですから、就職難になります。“ロスジェネ”が再来が懸念されています。

 次に、失業率と有効求人倍率がどのように動いたかを見てみます。これは2002年からの該当する数字をグラフにしたものです。失業率の推移を見てみると、2009年に急カーブで上がっており、2009年7月に5.6%と、史上最高の失業率を記録しました。1年間で1%も急に上がったというのは、相当厳しい状況を示しています。今は少し改善されましたが、5.2%と非常に高い水準です。

画像のクリックで拡大表示

 有効求人倍率の推移を見ても、2007年からだんだん下がっていき、2008年からフリーフォールといった状況で急激に落ちています。有効求人倍率が0.4倍ぐらいまで下がってしまうのは、歴史上なかったことです。今は、これが少しだけ戻している状況です。

―― このグラフを見ると、2002年から2007年は、今、世の中では格差が拡大したと批判を受けている、小泉内閣の時代と重なっていると思うんですが、この時は有効求人倍率は良くなったし、完全失業率は減ったということですよね…。

 それは非常に難しい問題だと思います。景気が良かったのでやはり雇用は改善しました。このことは評価しなければいけないでしょう。ただ、これが非正規雇用によって改善したのであればどうでしょう。非正規雇用でも就職すれば当然、失業率は減りますし、有効求人倍率も上がります。

 2009年の「経済財政白書」を見ると、格差は広がったと言われるが、働いている人だけを基準にして格差を取れば、非正規の人が増えたので格差は拡大したといえる。しかし、失業者まで含めて格差を見たらどうなるかというと、この時期、失業率は減っている。所得がゼロなのと、少しでも稼げているのとでは全然状況が違う。そういう場合には、格差は縮小しているという結果が出ています。ただ、非正規雇用者の給料が十分かどうかが問題です。

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