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日本農業に未来はあるか

貿易自由化が叫ばれる中で農政のこれからを考える

2010年11月5日(金)

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 今日は日本の農業についてお話します。

 「日本の農業には将来性がある」「そんなことはない」――。農業に対する世の中のイメージはばらばらです。今の日本の農業のイメージを表す言葉として、以下の4つを考えてみました。語呂合わせで、みな「K」がつくものでまとめてみました。

 一つは「苦しい農業」。二つ目が「楽しい農業」。これはあえて「かわいい農業」と言い換えてみましょう。三つ目が「困った農業」、そして最後が「これからの農業」です。

平均年齢65歳、最も多いのは75歳以上

 まずは、「苦しい農業」の姿について、資料を見ながら考えてみましょう。

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 上のグラフは農業で働いている人の年齢構成を表したものです。ざっと見ると、山がだんだん右にずれています。一番左の山が平成2年、その次の山が平成7年。全体の山の頂上はだんだん下がってきていますが、山がだんだん右に動いています。これは5年ごとに調査をするもので、調査をするたびに全体が下がって、山の形がちょうど5年ずつ後ろにずれているわけです。

 要するに、農業をやる人がほとんど同じ人で、社会全体として見ると、農業者の平均年齢が一貫して上がっていることを表しています。若い人の参入はなく、平成17年には、ついに山ではなくなってしまいました。75歳以上の人が一番多いわけです。

 基幹的農業従事者の数は230万人を少し切るくらいです。ところが、この図を見て、このように高齢化している時こそ世代交代が起きるので、農業はこれからがチャンスだという人もいます。

耕作放棄地は増え続け、所得は半分に減少

 また、農地面積も減っています。一方で、うなぎ登りに増えているのが、耕作放棄地面積です。平成17年で38.6万ヘクタール。これは埼玉県全面積と同じで、東京都の面積の1.8倍ぐらいです。それだけの農地が放っておかれ、誰も農業をやらない状態になっています。

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 農業は儲からないことを示すのが下のグラフです。

 棒グラフの上と下を足したものが農家の生産額と思ってください。6.4兆円という数字が中間投入等とありますが、簡単に言えばコストです。コストを引いた所得が、平成2年では6.1兆円ぐらいでしたが、平成18年では3.2兆円と半分ぐらいに減っています。

 もちろんコストも7.5兆円から6.4兆円に下がってはいますが、15%しか下がっていません。一方、純生産、言い換えると所得は47%下がっている。農業は本当に儲からないことを示していると言っていいでしょう。

 下の折れ線グラフは、物価全体と農産物の物価を比較したものです。平成3年から平成21年まで見ると、消費者物価はほぼ横ばいか少し上がっているぐらい。最近はデフレで右肩下がりになっていますが、平成3年と比べて、全体としてはそんなに物価が下がっているわけではありません。

 ところが農産物は平成3年を100とすると、77くらいまで下がっています。値段が下がって、儲からなくなっているわけです。従って農業をやる人がいない、だから農地も余っているというのが事実です。

コメント9件コメント/レビュー

>農業放棄地は元に戻らない。との表現に噛み付いている方がいるが、農業放棄地の場所と程度による。平地の農地のまとまった地域の中での「放棄地」なら3~5年程度で元に戻るでしょう。但しこれは全て「灌漑施設が機能している」という前提です。そもそも農地には必ず灌漑設備が必要で、「灌漑施設」を維持するために集落が形成されているのです。水の不要な作物はありません。従って「灌漑施設が機能している」状態であるなら、コストと費用を掛ければ農地は復活します。しかし、中山間地などで付近全て「耕作放棄」となった場合、「灌漑施設」というより、そもそも水源から確保する必要がある場合が多いのです。そのように「水源」から確保するということは「不可能」と同義であり。いくらコストと時間をかけても元には戻らないのです。20年30年というのは当座の間に合わないという点で不可能と同じです。また「自分の食べる分だけでも」とコメントされた方に実現可能な方策をひとつ。本当に食べるものがなくなれば、人間は食べるために必ず耕します。それでも残る「耕作放棄地」があれば、それを国が買い上げて貸与すればよいだけです。ひとつ問題は、都市部に「耕作放棄地」が少ないため、自分の家庭菜園が欲しい方は山間僻地に移り住む必要があることです。果たしてコメントされた方はそこまでの覚悟がおありでしょうか。もしおありでしたら、いくらでも貸してくれる方はいます。東京で・・・と望むのは非常に甘い考えです。(兼業農家)(2010/11/05)

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いただいたコメント

>農業放棄地は元に戻らない。との表現に噛み付いている方がいるが、農業放棄地の場所と程度による。平地の農地のまとまった地域の中での「放棄地」なら3~5年程度で元に戻るでしょう。但しこれは全て「灌漑施設が機能している」という前提です。そもそも農地には必ず灌漑設備が必要で、「灌漑施設」を維持するために集落が形成されているのです。水の不要な作物はありません。従って「灌漑施設が機能している」状態であるなら、コストと費用を掛ければ農地は復活します。しかし、中山間地などで付近全て「耕作放棄」となった場合、「灌漑施設」というより、そもそも水源から確保する必要がある場合が多いのです。そのように「水源」から確保するということは「不可能」と同義であり。いくらコストと時間をかけても元には戻らないのです。20年30年というのは当座の間に合わないという点で不可能と同じです。また「自分の食べる分だけでも」とコメントされた方に実現可能な方策をひとつ。本当に食べるものがなくなれば、人間は食べるために必ず耕します。それでも残る「耕作放棄地」があれば、それを国が買い上げて貸与すればよいだけです。ひとつ問題は、都市部に「耕作放棄地」が少ないため、自分の家庭菜園が欲しい方は山間僻地に移り住む必要があることです。果たしてコメントされた方はそこまでの覚悟がおありでしょうか。もしおありでしたら、いくらでも貸してくれる方はいます。東京で・・・と望むのは非常に甘い考えです。(兼業農家)(2010/11/05)

どんなにやったところで自給率とやらが50%という。では海外からの輸入が止まらないようにするのが、政治の仕事であり、公務であると考える。自由化されると米価が現在の1/4になるという話をまことしやかに語られたが、別の論では2009年の中国産の高品質米は国産米の2割程度の減という。1/4とは何年のどの国の米価なのかを明らかにするべき。新規「需要」米などという、需要の無いものに補助を出し、さらにMA米を積み増す。TPP・FTA・EPAは日本の農業が出直す最後のチャンスであり、大体TPPは農業問題ではないと思う。これで崩壊するのは農協であり、農業に寄生する者のみ。農業は崩壊しない。(2010/11/05)

10アールあたり、250キログラムから、600キログラムくらい、米は収穫できます。これって、自家消費分プラスアルファ程度ですよね。(2010/11/05)

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