• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

米国が聖域なき財政再建へ?

超党派委員会の「議長私案」が示した過酷な現実

  • 安井 明彦

バックナンバー

2010年11月25日(木)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 抜本的な財政再建策を検討させるためにバラク・オバマ政権が今年初めに設立したのが超党派委員会(National Commission on Fiscal Responsibility and Reform)である。

 その共同議長2人が「私案」を公表した。決断を渋る政治家に容赦のない選択を迫る厳しい内容だった。

「議長私案」に対して猛烈な批判の嵐

「受け入れる余地は一切ない」(民主党のナンシー・ペロシ下院議長)

「米国の労働者に死刑が言い渡された」(米労働総同盟産別会議のリチャード・トラムカ議長)

「(超党派委員会は)増税のための『隠れ蓑』に過ぎなかった」(全米税制改革協議会)

 猛烈な批判の嵐が巻き起こっている。11月10日に財政再建策私案を公表したのは、ビル・クリントン民主党政権で首席補佐官を務めたアースキン・ボウルズ氏と、共和党のアラン・シンプソン元上院議員。バラク・オバマ政権が設けた財政再建のための超党派委員会(拙稿「米財政再建への気の遠くなるような道のり」参照)の共同議長である。

 その内容は鮮烈だ。歳出・歳入の両面の対策によって、2020年度までに財政赤字を3兆8000億ドル(約310兆円)削減する。2015年度の財政赤字は国内総生産(GDP)比で2.2%となり、「2015年度までにGDPの約3%にまで財政赤字を削減する」というオバマ政権の目標を余裕を残して達成する。それどころか、2037年度には財政赤字は解消され、現在GDP比で60%を超える国債発行残高も、2040年度までには40%を下回る水準にまで低下する。

 提案の公表は唐突だった。超党派委員会の報告期限は12月1日。期日までにはまだ時間があった。しかも、委員会としての提案を発表するには18人のメンバー中14人の賛成が必要。歳出削減を重視する共和党と、増税を視野に入れる民主党の意見の対立は大きく、提案の採択は難航が予想されていた。

 ところが両議長は、大胆な行動に出た。委員会としての正式な採択に先立って、自らの「私案」を公表してしまったのだ。冒頭の批判にも明らかなように、今回の私案は委員会での採択をひとまずは度外視した内容。妥協が模索される過程で薄められてしまったであろう提案を、敢えて「純粋」な形で世に問うた格好である。

「聖域なき財政再建」を迫る内容だが…

 議長私案の最大の特徴は、あらゆる聖域が財政再建の対象になっている点にある。

 まず歳出では、公的年金や医療保険、軍事費といった、これまでは聖域扱いされがちだった領域に容赦なくメスが入れられた。

コメント4

「Money Globe- from NY(安井 明彦)」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

プロフェッショナルとして、勝負どころで安易に妥協するなら仕事をする意味がない。

手嶋 龍一 作家・ジャーナリスト