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【中国・インド経済】先進国の低迷よそに成長競い合う

インフレ抑制と為替の動向がカギ

  • 坂田 亮太郎,熊野 信一郎

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2010年12月6日(月)

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 金融危機の発生から2年が経っても低迷から抜け出せない先進国。一方新興国は、世界経済の中で確実に存在感を高めている。中でもその代表格である中国とインドは、競い合うように経済成長を続けている。

中国、2年ぶりに2ケタ成長へ

 上海万博を成功のうちに終わらせGDP(国内総生産)で世界第2位となった──将来の歴史家は中国の2010年をこのように表現するだろう。

 “失われた20年”に経済の低成長とデフレに悩み続ける日本を尻目に、中国の経済は“過熱ぶり”が心配されるほど好調だ。

 中国国家統計局は2010年10月、第3四半期(7~9月期)のGDPが前年同期に比べて実質9.6%伸びたと発表した。4~6月期に比べれば鈍化したものの、通期で2ケタ成長を達成するのはほぼ確実な情勢と言える。

 好調な理由は金融危機の発生から低迷していた外需が復調してきたことが大きい。得意とする輸出型産業の勢いが戻り、2010年9月の工業生産は前年同月期比で13.3%増と大きく伸びた。自動車や電化製品などの主要産業で在庫調整が一巡したことも製造業の回復を後押しした。

 2011年も政府が理想としている8%以上の経済成長を達成する可能性は高い。だが、先行きが安泰なわけではない。

 最大の課題は好景気の代償として誘発される物価の上昇だ。古来、中国政府にとって最も重要な政策はインフレの抑制だった。物価が上がり満足に食べられなくなると、抑えられてきた民衆の不満が爆発しかねなくなるからだ。

不満の矛先は日本に向かう

尖閣諸島付近で起きた漁船衝突事件をきっかけに中国全土で反日デモが頻発。一部が「抵制日貨(日本製品の不買運動)」を呼びかけた(写真:Getty Images News)

 過去10年のCPI(消費者物価指数)の変化を追うと、政府が年間の抑制目標としている前年比3%のラインが目安となる。この危険水域を超えると社会の不安定度が一気に高まり、各地でデモが頻発する。

 不満の矛先はしばしば日本に向けられる。体制に対する批判は厳しく抑制されている中国だが、“仮想敵国”である日本を糾弾する分には大目に見てもらえる。時には「愛国無罪」と称して、暴力行為でさえ許容される。

 現に原油価格の高騰でCPIが3.9%も上昇した2004年頃には全国で反日デモが広がり、日本大使館や領事館だけでなく中国に進出した日本企業にも大きな被害をもたらした。

 次の山は2007~2008年で、米国でバイオエタノールの生産が拡大した結果、家畜用の飼料が高騰。肉類を中心に食品価格が大きく値上がりした。民衆の不満は高まったが、当時は北京オリンピックの開催と重なり、ある程度のガス抜きができた。

 2010年に入ってCPIはジワジワと上昇してきた。3%のラインを1~9月までに4度超えており、2011年にかけてさらに上昇する可能性がある。今回もやり玉に上がっているのは日本だ。直接のきっかけは尖閣諸島沖で起きた漁船の衝突問題ではあるが、政府レベルでは事態の収束した10月以降も中国各地でデモが頻発している。

格差是正か、成長重視か

 今回物価の上昇をもたらしているのは農作物の値上がりだ。中でも穀類は前年比10%台、野菜類は同20%台の上昇が続いている。農作物の高騰を招いた直接の原因は異常気象ではあるが、構造的な要因は格差是正を進める胡錦濤政権の政策にある。

 高度成長が続く中国の中で都市部と農村部の収入の格差は開くばかり。そこで胡政権は農作物の最低買い付け価格を相次ぎ引き上げてきた。農村部の収入が上がることは同時に都市部で痛みをもたらす。食品価格が値上がりし、人口の半数を超えた都市住民の生活を直撃した。

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 中国政府は今後、高い経済成長の陰で直視せずに済んできた課題と本格的に向き合っていかなければならなくなる。都市部と農村部の収入格差はその1つ。不動産バブルや少子高齢化など、解決すべき社会の歪みは至る所に潜んでいる。

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