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「再びのデフレ」の背景にあるGDPギャップの拡大とは

金融政策についてその目的と手段を知る〈1〉

  • 村田 啓子

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2010年12月17日(金)

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 今回からは金融政策についてお話します。日本の政策金利は現在、実質的にゼロ金利となっており、欧米でも政策金利は極めて低い水準となっています。今回はまず、金融政策と関係の深い物価について考えていきましょう。

デフレーションの定義

 日本は現在緩やかなデフレ状況にあります。はじめにデフレとインフレの定義を正確に理解しましょう。物価というのは財・サービスの価格を総合的に捉えたものです。デフレーションは一般物価水準が持続的に下落することです。物価がどんどんと、あるいはじわじわと下がっていく状態です。

 これに対し、インフレーションは一般物価水準が持続的に上昇する状態です。食品、家賃、テレビ、パソコンなどいろいろな財、様々なサービスの代金を総合した一般物価水準が持続的に上昇する状態をインフレーションと言います。

 インフレは貨幣価値が下落していくことでもあります。今日100円で買えたものが、明日には100円で買えなくなってしまうというのは、100円というお金の価値が下落するということです。一方で、物価が下落し、貨幣価値が上昇するのがデフレーションです。  

 デフレは景気が低迷している状態で起こることが多いので、メディアではデフレを景気後退という意味も含めて使っている場合もありますが、正確にはこれは正しくありません。デフレーションはあくまでも物価の話です。景気が良くても悪くても物価が持続的に下がっていればデフレです。

2度の石油危機を経て物価は安定へ

 次に、戦後の物価の動きをみてみましょう。グラフ1は日本の戦後の物価水準の動向を示したものです。消費者物価が消費者の購入する財・サービスの価格を総合したものであるのに対し、国内企業物価は企業が企業間で取引を行う時の価格を総合したものです。消費者物価は総務省、企業物価は日本銀行がそれぞれ作成・公表しています。内閣府が作成しているGDPデフレータという指標もありますが、一般にはこの2つが物価の代表的な指標といっていいでしょう。

 金融政策との関連では、消費者物価がより重要です。グラフ1を見ると、1973年から74年にかけてCPIが跳ね上がっています。この背景には、72年に通貨が切り上げられた後、為替レート(1ドル=308円)を維持するという立場から、黒字縮小のために景気刺激策を採用し、金融政策を緩和したことがあります。これが日本列島改造論とも相まって物価高騰を招きました。

 金融政策は73年には引締め政策に転換されたのですが、その効果が十分でないうちに石油危機が起こり原油価格が高騰、人々のインフレ期待が刺激され「買いだめ」が発生するなど、「狂乱物価」と呼ばれるような状態を招くに至りました。

 次に物価高騰がみられるのは1979年から80年にかけてですが、これはイラン革命により起こった第2次石油危機によるものです。日本は第1次石油危機の苦い経験の反省から、外的ショックによる物価上昇が内生的なインフレに転換することを回避するために、金融政策運営においても迅速かつ着実な引き締めが行われ、インフレ期待の過度な上昇を招くことなく物価を鎮静化することができたと指摘されています。

コメント1件コメント/レビュー

まっとうそうな記事なのでホットしています。(2010/12/18)

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