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デフレ回避は消費者マインド次第

米国消費者の「期待インフレ率」の動きに注意

  • 勝藤 史郎

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2010年12月9日(木)

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 米国のクリスマス商戦の出だしは予想以上に好調だ。全米小売業協会によれば、感謝祭(11月25日)を含む緒戦の週末の小売売上は、前年比9%を超える大幅増となった。さらに報道などによれば、今年は消費者行動にも変化(というより平時への回帰)が見えてきている。商戦初日の限定格安品だけを買って買い物を終わりにするのでなく、ある程度時間をかけて値引き率にかかわらず自分の欲しいものを選ぶ余裕ががでてきたという。

 小売業にとっては値引きの消耗戦を避ける意味では都合のよいことである。これは今の米国経済全体にとっても望ましいことだ。消費者が値引き第一で格安品だけを買う、またはわざと買い物を遅らせて値引きを待つ、という状態がもしつづくと、そのままデフレへの道を意味するからだ。

需給ギャップとインフレ期待

 米国ではデフレ圧力がますます高まっている。消費者物価指数(CPI)の前年比の伸びは1%ぎりぎりにまで低下している。食品・エネルギーを除くコアCPIの前年比の伸びは10月時点でプラス0.6%と、1958年の統計開始以来の最低水準に低下した。

 米国のデフレ圧力の最大の要因は、拡大した需給ギャップである。需給ギャップとは、国にある生産能力と実際の生産つまり需要の差で、より具体的には主に企業の設備稼働率と失業率に表れる。失業率とインフレ率の逆相関の関係を示すフィリップス曲線は、需給ギャップが開くとインフレ率が低下することを表したものである。

 一般にインフレ率を決定する要因には、需給ギャップに加えインフレ期待があるとされる。実は金融危機前の過去数年間は、このインフレ期待でほぼ実際のインフレ率が説明できていた。第1図は、筆者が集計している市場のインフレ期待インデックス(2006年6月2日付当コラム参照)を用いて推計したインフレ率と実際のインフレ率の推移である。

 これによれば、金融危機以前はインフレ期待の動きがほぼ実際のインフレ率の動きに一致していたのに対し、金融危機以降この関係が大きく崩れている。インフレ期待はそこそこ高いレベルにあるにもかかわらず、実際のインフレ率は大幅に低下するという状況になっている。

 このギャップは、そもそもの長期的なインフレ率の決定要因である需給ギャップの拡大によるものである。言い換えれば失業率が金融危機直前まで約5%前後で安定していたのが、金融危機後に急上昇して10%にまで達したまま下げ渋っていることが背景だ。

 インフレ期待に加え、需給ギャップを表す指標の代表である失業率を変数に加えてインフレ率を推計してみると、現在のインフレ率にほぼ近い値が導けた(第2図)。それでも所々に見られる実際のインフレ率とのギャップは主に原油価格の短期的な変動で説明できる。

 米国のインフレ率がさらに低下すること、あるいはインフレ率がマイナスになることを防ぐには、需給ギャップをこれ以上拡大させないことと、インフレ期待を少なくとも現状の水準に保つことが必要になる。

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