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デジカメの普及率、まだ3%

キヤノン中国社長の小澤秀樹氏インタビュー

2011年1月12日(水)

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  2010年に日本を抜いて世界第2位の経済大国となった中国は今後どこまで成長を維持できるのか。日本にとって今や輸出でも輸入でも最大の貿易国となった中国に対する関心は高まるばかりだ。そのため経済学者やアナリストによる中国経済の分析情報も溢れるようになった。

 本コラムではそれらとは一線を画し、現地に進出している日系企業の中国事業トップに中国経済の見通しを聞いた。実際に中国に住み、人やカネを動かしている経営者が毎日のビジネスを通じて得た情報に中国事業の今後を占うヒントが見いだせると考えたからだ。

 2回目はキヤノン中国の小澤秀樹社長のインタビューをお届けする。

時事深層『中国5カ年計画、米中逆転の野望』

第1回 『中国の高度成長は始まったばかりだ』三菱商事・中国総代表の木島綱雄氏インタビュー

―― 中国経済の見通しについて、どのように考えていますか。

小澤秀樹(おざわ・ひでき)
1950年生まれ。73年慶應義塾大学法学部卒業後キヤノン入社。78年からCanon U.S.A.., Inc.のカメラ事業部、90年本社に戻りカメラマーケティング部。92年Canon Singapore Pte. Ltd.カメラ事業部部長、99年 Canon Hongkong Co., Ltd.に副社長、2002年に社長に就任。2004年Canon Singapore Pte. Ltd.社長、2005年からキヤノンアジアマーケティンググループ社長とキヤノン(中国)の社長に就任。2007年取締役、2010年より常務取締役(撮影:岩崎稔)

 小澤 少なくともあと10年、つまり2020年ぐらいまでは順調に成長を続けていくと見ています。これだけ規模が大きくなったわけですから、2ケタの高い成長を続けるのは難しいでしょう。それでも1ケタの後半、5~9%程度の成長を続けるポテンシャルは十分に持っています。

 もちろん不確定要素はあります。環境問題の悪化や為替の問題、あとは政治的な問題もありますね。格差の是正というのがこの国の大きな課題になっています。

 2011年から始まる「第12次5カ年計画」の中で、とりわけ私が注目しているのは内需拡大の政策です。中国政府は、所得水準を引き上げる政策を強力に打ち出してくるでしょう。と言うのも、中国はGDPに占める個人消費の割合が4割弱しかありません。先進国の水準はおおむね7割です。日本も6割弱ですから中国の割合は相当低いと言えます。

 これまで中国は外国からの投資と輸出で成長してきたわけですが、2008年の金融危機で外国からの投資と需要が減り大きなダメージを受けました。2010年には2ケタ成長に回復してきたとは言え、やはり個人消費の割合を増やさなければ経済の継続的な成長は難しいはずです。

―― 個人消費が伸びるということは賃金が上昇するということです。

 もちろんそうです。賃金が上昇すれば労務費が上がり、企業経営にとってはマイナス要因になります。実際、2010年に中国に進出している外資系企業では工場労働者の賃金が平均で20%も上昇したと言われています。

 政府が物価の上昇を抑制しようとしていても、CPI(消費者物価指数)は4%近くも上昇しました。今後も年に10%から15%のペースで平均収入は増えていくだろうと思います。

 一方で収入が増えれば消費者の購買力が上がるわけですから、商品やサービスを売る企業にとってはプラスに働きます。我々は月給が3000元(約3万7500円、1元=12.5円)を超える中産階級層を、キヤノン製品を購入していただける層と想定しています。その数は現在3億~4億人程度で、残りは9億人近くも残っているわけです。つまり所得水準が上がれば上がるほど、当社製品の潜在顧客も拡大すると考えられるのです。

人民元切り上げは個人消費に追い風

 人民元の切り上げについても個人消費には追い風になると見ています。たしかに輸出産業には打撃となりますが、中国のバイイングパワーは凄まじいものがある。元高は、中国企業や中国人が外国から何かを買う面では間違いなくメリットになります。

―― デジタルカメラは中国でどれくらい普及しているのですか。

 販売台数では、既に中国は日本を越えています。我々のデータでは2009年に1100万台、2010年に1300万台を突破しました。日本は2009年の販売台数が実績で約1000万台でしたから、その差はどんどんと広がっていると言えるでしょう。

 ただし、普及率は高くありません。キヤノンを含め各社が本格的に中国でデジカメを売り始めたのは2005年頃から。それから5年間の販売台数は累積で4000万台程度です。13億人の人口で単純に割ると、普及率は3%しかないことになります。

 日本ではデジカメ普及率が70%を超えるところまで来ていますから、中国の水準はまだまだ相当低い。逆に言えば、それだけ伸びしろがあるとも言えます。

 もっとも、普及率は分母をどうするかによってかなり変わってきます。先ほども申し上げた通り、月給が3000元を超える中産階級層が潜在的なターゲット層になります。デジカメの価格はコンパクト型でも2000元(約2万5000円)から3000元はします。月給と同額の商品を買うのはかなりハードルが高いはずです。本来ならば、月給の半額以下が妥当なところでしょう。そう考えると、今日の段階でデジカメを買える人は中国に1億人いると試算しています。それを前提にすると、普及率は40%にまで高まります。

―― より高額なデジタル一眼レフカメラはどうですか。

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「デジカメの普及率、まだ3%」の著者

坂田 亮太郎

坂田 亮太郎(さかた・りょうたろう)

日経ビジネス副編集長

東京工業大学大学院修了後、98年日経BP入社。「日経バイオテク」「日経ビジネス」を経て2009年から中国赴任。北京支局長、上海支局長を経て2014年4月から日経ビジネスに復帰

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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