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米国景気「順回転」への一突き

オバマ減税で景気回復は加速する

  • 勝藤 史郎

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2011年1月13日(木)

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 中間選挙で共和党が下院議席の過半数を獲得してから、オバマ民主党政権の政策はにわかに成長志向に転換している。「敵対」関係にあった民主・共和両党の政策はまだ「協調」にはほど遠い。しかし政治的な「妥協」が今のところ経済をよい方向に持っていっている。

 新たな政策の結果、米国では2011年に回復が加速しそうだ。2011年は個人消費が牽引して、民間の経済が自分で拡大を始める年になるだろう。

2011年の成長率を約0.8%押し上げる

 景気回復加速の契機となるのは、ブッシュ所得税減税の延長に加え給与税の2%減税や、緊急失業保険給付の延長などを盛り込んだオバマ大統領の減税政策が昨年12月に成立したことだ。

 これにより米国の家計の可処分所得は2011年に1000億ドル以上増加し、企業減税と合わせて2011年の成長率を約0.8%押し上げるだろうと筆者は見込んでいる。

 これらの減税・給付はいずれも1年から2年の時限措置である。見方によってはこれは一時的に景気を押し上げるだけのカンフル剤で終わる政策ともとらえられかねない。確かに金融危機のさなか2009年の大型財政出動は、経済や国民の生活が崖を滑り落ちて行くのを何とか食い止めるのいわば安全網に近いものだった。その効果も一時的で、景気を維持しようとすれば毎年同じ金額の財政支援が必要になる状況だった。

 しかし、今回はやや状況が違う。経済は既に少しずつ自分で回り始めている。いま必要なのは恒常的な政府支援の拡大でなく、景気が本格的に自分で回りはじめるための最初の一撃である。

 第1図は、消費者が追加的な1ドルの収入のうちの何ドルを消費に回したかという金額の推移である。景気後退のさなかでは消費者は節約と買い控えに走る。税還付などで追加的に手にしたお金をほとんど、またはそれ以上に貯蓄してしまう。したがって、減税や定額給付をしても直接景気を押し上げる効果は相対的に小さかった。さらに景気後退期には企業は人員削減とともに効率化を進めている最中であって、多少の受注が増えても雇用を増やすことはしない。

 ところが、現状はちがう。リセッションが終わって消費者のマインドはかなり上向いている。1ドルの追加収入を消費に回す割合はリセッション前のレベルにまで急速に回復している。減税や給付金の需要押し上げ効果はリセッション期に比べて格段に大きいわけだ。こうした消費者行動の好転は昨年末のクリスマス商戦の好調さにも現れている。

 さらに、今回は需要増が雇用増加を呼び起こして再び消費を増加させることが見込める。既に企業は限界まで人員削減を進めた後だ。これ以上の人員削減は困難であって、景気回復に十分に自信が持てない現状でも企業は恐る恐るだが雇用を増やし始めている。そこへ消費拡大で需要が大きくなれば、いやでも本格雇用を拡大せねばならない。企業が雇用を増やせば消費者の所得は増え、さらにこれが次の購買力拡大につながる。いわば「正のスパイラル」を形成することができる。

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長