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「ゼロ金利政策」「量的緩和」「時間軸効果」で日銀はデフレにどう対応してきたか

金融政策についてその目的と手段を知る〈3〉

  • 村田 啓子

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2011年1月28日(金)

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 今回は日本の戦後の金融政策運営について簡単に見た上で、最近の状況についてリーマンショックの前まで解説します。

 前回もお話しましたが、金融自由化以前である戦後から高度成長期にかけては、公定歩合を政策金利として採用しつつ、預金準備率操作と窓口指導の併用により必要に応じ資金総量の調整を行うという金融政策運営が行われていました。

 この背景には、戦後高度成長期の中で続く資金不足の中で、金融機関は、公的金融機関に加え、民間金融機関では銀行・証券の分離、銀行の長短分離、信託分離などの専門主義・分離主義がとられ、資金の使途別に専門の金融機関が存在するという状況が続いていたことがありました。それらに対応する金融市場の金利(長期プライム、短期プライム、金融債利回、預金金利など)も人為的に決められ、各市場間の金利裁定はほとんど働かない状況にあったと言われています。

 このような状況の下、政策当局は個別の金融機関の貸出に影響を与えることができました。当時は日本経済として貿易・為替管理が行われており、国内金利が変動しても海外からの資本流入・流出が起こりにくかったことも、個別市場金利の人為的な調整を容易にしたと指摘されています。

 1970年代半ばに日本経済は高度成長期から安定成長に移行しましたが、並行して金融の国際化が進み、国債増発等により金利の自由化も促され金融の自由化が進んでいきました。これに応じ、政策当局は市場金利による調整メカニズムを重視するようになっていきます。

 第2次石油危機の後、バブル期前の1986年には公定歩合が4回にわたり引き下げられました(4.5%→3.0%)。この背景には85年9月のプラザ合意により急激な円高(ドル高の修正)が進み、景気が鈍化していることがありました。87年2月には公定歩合がさらに2.5%まで引き下げられました。これは史上最低(当時)の水準です。当時は日米貿易摩擦に対応するため作成された「前川レポート」が話題になり、経済政策においても「内需主導型経済」への構造転換が重要な政策課題となっていました。

 89年5月に公定歩合は引き上げに転じ、90年8月に6%まで引き上げられましたが、この引き上げはインフレを未然に防止するため行われました。また、物価や国内景気、為替動向に加え市場金利の上昇をも踏まえつつ実施されたと言われています。実際、当時のコールレートと公定歩合を比較すると、まずコールレートが上昇し、その後公定歩合が引き上げられるという特徴がみられます。

 バブル崩壊後の日本は現在まで基本的に金融緩和局面にあります。公定歩合は91年7月に6%から5.5%に引き下げられ、金融政策運営は緩和へと転換されました。95年3月末には金融調節方針として「短期市場金利の低下を促す」ことが公表されます。

 9月には公定歩合を0.5%まで引き下げると同時に、「当面の金融調節に当たって、コールレートを平均的にみて公定歩合をある程度下回って推移することを想定する」という趣旨の内容が決定されました。これによりコールレートが実態上の政策金利となったわけです。

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ゼロ金利政策と「時間軸効果」

 1997年秋のアジア金融危機後、景気が停滞し消費者物価も下落に転じ、GDPギャップも悪化するなかで、日銀金融政策決定会合はコールレートの誘導目標を0.25%に引き下げることを決定しました(98年9月)。

 さらに99年2月には、「コールレートをできるだけ低めに推移するよう促す。その際、(中略)当初0.15%前後を目指し、その後の市場の状況を踏まえながら、徐々に一層の低下を促す」ことが決定され、直後の記者会見で速水日銀総裁(当時)が、「ゼロ金利になってもよい」という趣旨の発言をしたことから、「ゼロ金利政策」と呼ばれるようになりました。4月以降コールレートは実質ゼロ%の水準で安定的に推移しています。

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このレベルの金融政策の解説は、ぜひ日経ビジネスオンラインで常に行ってもらいたいです、(2011/01/28)

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