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硬貨のデザインが暗示するユーロの未来

構造問題は体制強化を促す警鐘なのではないか

2011年1月20日(木)

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 ユーロ債務危機がなかなか収まらない。「PIIGS(ピッグス)」などと総称されるユーロ周縁国の債務問題がここまで深刻化したそもそもの背景は、「通貨は1つだが、財政はバラバラ」というユーロ固有の構造問題にある。もっとも、この点については、本欄も含め既に多数解説がなされており重複は避ける(「広がる“格差”が映すユーロのリスク」)。だが、ここで改めてご覧いただきたいのが、以下添付のユーロコインである。

「通貨は1つ、財政はバラバラ」を象徴

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 このユーロ流通硬貨のデザインは、表は「common side」、裏は「national side」と呼ばれる。表側は共通デザイン(1ユーロなら「1」と数字を刻印=写真上)だが、裏面(それ以外の写真)は各国ごとにデザインが任されているからだ。当然ながら、national sideのデザインは各国バラバラである。

 つまり、「通貨は1つでも、“裏を返せば”、財政を初めとする各国主権やナショナリズムが強く残っている」というユーロ圏の現状、すなわち、目下のユーロ債務危機の本質を、このコインのデザインは非常に良く象徴している、と筆者は常々思っている。

今年1月にエストニアがユーロ導入

 そのコインに今月1日から、新しい顔ぶれが加わった(最後の写真)。17番目のユーロ導入国、エストニアである。

 ユーロ導入の大前提となるEU(欧州連合)加盟国の数は、2004年以降の第5次拡大で一気に27カ国へ拡大した。2004年5月に中東欧など10カ国が加盟し、その後の2007年1月にルーマニア、ブルガリアが加盟したのである。

 この「第5次拡大組」の12カ国のうち、既にユーロを導入しているのは、スロベニア(導入年=2007年)、キプロス(2008年)、マルタ(2008年)、スロバキア(2009年)の4カ国である。

 バルト3国の1つであるエストニアは、これに続く5番目の「第5次拡大組」であり、かつ、旧ソ連邦諸国としては初めてのユーロ導入国となった。1999年に11カ国体制で発足したユーロにとって、エストニアは、ギリシャ(2001年)と上記4カ国に次ぐ、17番目の導入国となったわけだ。

18番目の導入国はどこか

 では、エストニアに続く18番目の国について、見通しはどうであろうか。EU加盟27カ国のうち、残るユーロ未導入国は10カ国ある。

 このうち、イギリス、デンマークについては、基本法であるマーストリヒト条約批准に際し、ユーロ導入のオプトアウト(適用除外規定)が認められている。また、スウェーデンでは、2003年9月の国民投票でユーロ導入が否決されている。従って、現実的な早期導入候補国としては、未導入10カ国から、これら西北欧3カ国を除いた「第5次加盟組7カ国」が対象となる。

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「硬貨のデザインが暗示するユーロの未来」の著者

武田 紀久子

武田 紀久子(たけだ・きくこ)

国際通貨研究所 経済調査部上席研究員

1989年、東京銀行(現三菱東京UFJ銀行)入社以来、一貫して市場関連業務に従事。1999年、為替アナリスト班立ち上げメンバーに。以降、マーケット・エコノミストとしての活動を続けている。2015年10月より国際通貨研究所へ出向。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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