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チュニジアとエジプトとインフレの関係を考える

通貨とモノの相対的関係

  • 宿輪 純一

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2011年2月14日(月)

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経済成長を伴わない物価上昇が騒乱の一因

 世界の金融市場を揺るがしたチュニジア政変もエジプトの騒乱も、食料品を中心とした物価高、すなわちインフレ進行が一因である。もともと体制への不満があった様子であるが、インフレの進行が、不満が爆発する引き金を引いた。

 上図は、2011年の中東・アフリカ各国におけるインフレ率と経済成長率の関係(IMF予想)を示したもの。参考のため日本も入れている。経済成長率は、あらあら考えれば、給料の伸び率と同義と考えることができる。給料の伸び率を超えて、物価が上がると、国民の不満がたまる。単純化して言えば、インフレ率が経済成長率よりも高い場合が問題なのである。

 日本に視点を移そう。日本にも、「デフレを脱却し、とにかくインフレを進行させよう」と考える向きがある。しかし、そうした考えは誤解を招く。インフレで問題が解決するならば、チュニジアもエジプトも、社会問題に発展しなかったはずである。

良いインフレとは? 悪いインフレとは?

 よく「良いインフレ」「悪いインフレ」の議論がある。通常の経済成長(景気)とインフレ(物価上昇)の関係で言えば、経済が成長し、それにつられて物価も上がっていくケースが、いわゆる良いインフレである。いっぽう、経済が成長せず、インフレが進行するのが悪いインフレである。

 この悪いインフレの代表例が、70年代に日本で起きた「石油ショック」である。海外から輸入する原油価格が上昇し、国内にインフレをもたらした。最近のチュニジア、エジプトの場合も悪いインフレ、食料、原油、素材などの商品物価が上昇した。2010年6月末と比べると、小麦の価格もとうもろこしの価格も約2倍になった。大豆の価格は約5割上昇している。ちなみに、エジプトは世界一の小麦輸入国と言われている。

 繰り返しになるが、インフレになればすべてよくなる、というものではない。経済成長が先行するケースでなければならない。単純に「インフレになればよい」という言い方は、説明不足で誤解を招く。

もう一つの悪いインフレ

 前述のケースは海外との関係で輸入価格が上昇して、悪いインフレになったケースである。悪いインフレの例は、他にもある。通貨当局が通貨を大量発行した場合である。国内に原因があるケースだ。

 一般的に当局が収入を得るためには2つの方法がある。1つは「税金の徴収」であり、2つ目は「通貨の発行(紙幣の印刷)」である。どちらの方法を取るかで、結果に明らかな違いが出る。税金の場合には、国内から資金を吸い上げるためにデフレとなる。通貨の発行の場合には国内に通貨が供給されるためにインフレになる。

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