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パートナー選びで成否は8割決まる

任せるほど営業方針や施策のコントロールが難しくなる

  • 横田 正仲

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2011年2月15日(火)

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 中国で成功するビジネスにはパターンがある。それは「企画力」と、それを実施していく「実行力」の両輪がきちんと満たされていることだ(図1)。聞いてしまえば「当たり前」のことだが、勝因にしても敗因にしても、実は当たり前のことが大きなウェイトを占めている。

 このうち「企画力」には、どのようなビジネスで市場を開拓していくのか=「ビジネスモデル」と、どのような相手とどのような形態で取引するのか=「パートナー」という2つの大きな要素が含まれる。そして、ビジネスモデルの立案とパートナー選定を行うときの土台となり、事業成功への重要なカギとなるのが、周到な現地調査である。

 日本企業が中国に進出する場合、現地のパートナーと組んで事業を進めることが多い。このパートナー選び、さらにその後の関係づくりが、中国事業の成否を大きく左右する。

 最近は中国の規制緩和が進み、単独資本(独資)で進出することも一部の業種では可能だ。しかし、物品の販売やサービスの提供といった分野を中心に、今でも外資企業に対する規制は少なくない。業種によっては、出資比率を規定値より下げなければ合弁を認めない、あるいは出資額や日本側役員の人数に規制をかけるというケースもある。進出を検討している事業領域がこうした規制業種に当てはまるときは、当然、中国企業と組まざるを得ない。

 今回は、このパートナー選びに失敗して、苦境に陥った日本企業の事例を見ていきたい。よくあるパターンとしては、「合弁先に期待していた能力がなかった」「経済的な虚実や詐欺などによって損失を被った」「技術が流出し、類似製品が出回った」といったケースがある。

ある日突然、パートナー企業が破産

 日系大手製紙メーカーA社は、中国での事業を急速に拡大させるため同業界の中国企業Y社をパートナーに選び合弁会社を設立した。合弁会社の工場建設について具体的な検討を進めていたある朝、A社の中国事業担当者は、日本本社のデスクから中国の合弁相手先企業Y社のホームページを見て目を疑った。Y社への銀行融資が差し止められたために資金繰りが悪化し、操業を大幅に低下させるという内容だったからだ。

 早速、この重大な問題発生の真偽を確認すべくY社に連絡を入れたが、こちらの問い合わせに対する回答は全く要領を得なかった。事情が明確になり次第、報告するとのことだったが、その後もY社から連絡は来なかった。

 合弁企業の出資比率は、A社が55%、中国側のY社が45%であり、主導権はA社が握っているから安心と考えていた矢先の出来事だった。パートナー企業のY社の出資は、土地などの現物出資が中心であり、生産設備のほか数十億円の投資を担う予定だったのはA社である。この事実から見ても、パートナー企業の資金繰りは実はかなり悪化していたようだ。しかし、それまでY社の売り上げは順調に推移し利益も上げていたため、合弁相手先としてふさわしい企業だと信頼し切っていた。

 一時は地元政府からY社に対して再建のための融資の話もあったが、Y社の幹部と政府筋との間に過去にもめごとがあったようで実現には至らず、銀行からの融資も再開されることはなかった。結局のところ、Y社側から再建計画が出ることはなく、A社とY社の合弁は解消となった。A社はすでに設置した設備とこれまでの数億円の投資を失うという損害を被り、中国事業は大きく出遅れることになった。

「現地」「現物」「現実」をモットーに

 中国では、パートナー企業の財務情報や経営情報の信頼性に毀損が発生することが珍しくない。また、事業運営に関わる中国政府の制度見直しがあっても、合弁企業から適切に知らされず、事業計画の見直しを余儀なくされることもよくある。

 今回のA社のケースには当てはまらないが、合弁後も日本企業からの投資を執拗に迫り、その資金の使途内容も含めて、経営実態や財務情報などの信頼性に疑問が感じ、日系企業から合弁解消を申し出るケースも少なくない。合弁に関わる関連制度の情報収集や、相手先企業の経営実態および合弁後の企業情報収集は、相手企業の言い分を鵜呑みにせず「現地」「現物」「現実」をモットーに怠らないことが肝要だ。

コメント1件コメント/レビュー

企業の国際展開に関する教科書的内容としては及第点かも知れない。しかし読者が求めているのは中国ならではの事例や見方。その点では残念ながら落第点。「詳しくは書籍を購読して欲しい」と言うことかも知れないが、"Free”なんて本もあるご時世、このままではかえって逆効果ではないか。紙幅の関係もあろうが、今一段の改善(お手のもの?)を希望。(2011/02/15)

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企業の国際展開に関する教科書的内容としては及第点かも知れない。しかし読者が求めているのは中国ならではの事例や見方。その点では残念ながら落第点。「詳しくは書籍を購読して欲しい」と言うことかも知れないが、"Free”なんて本もあるご時世、このままではかえって逆効果ではないか。紙幅の関係もあろうが、今一段の改善(お手のもの?)を希望。(2011/02/15)

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