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オバマ大統領は本当に企業寄りか?

見る人によってがらりと変わる政策の色合い

  • 安井 明彦

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2011年2月24日(木)

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 「今日はご近所づきあいを深めようと思ってやってきた。最初に引っ越してきた時にフルーツケーキでも持ってきておけばよかったのかもしれないが…」

 2月7日、公園を挟んでホワイトハウスに隣接する米商工会議所で、バラク・オバマ大統領が切り出した。過去には医療改革などを巡って激しくやり合った米商工会議所での講演は、オバマ政権が演出する「企業シフト」を象徴する出来事である。

 民主党が大敗を喫した昨年の議会中間選挙以来、オバマ政権は企業寄りの姿勢を盛んにアピールしている。

 政権人事では、ビジネス界の評判が高いウィリアム・デイリー元商務長官を首席補佐官に起用。ブッシュ減税の延長問題でも、自らの選挙公約を翻して、富裕層向けを含めた全面延長で共和党と妥協した。今年に入ってからは、雇用創出と競争力強化に関する諮問機関を新設し、議長にゼネラル・エレクトリック(GE)のジェフ・イメルト会長兼CEO(最高経営責任者)を招聘。法人税制や規制の見直しなど、企業の関心の高い政策分野での積極的な取り組みを約束している。

実効税率37.2%と3.6%の大差は埋まらず

 一連の「企業シフト」が現実の政策をどう変化させるかは、現時点では判断が難しい。醸し出される雰囲気の変化は明らかだが、具体的な政策の方向性については、これまでの枠組みからはみ出すほどの「シフト」ではないからだ。

 まず法人税制の見直しである。オバマ政権は、乱立する優遇税制の整理による税収増を利用して、高水準にある米国の法人税率を引き下げるよう提案している。

 こうした方針自体は、何ら目新しいものではない。2008年6月の本コラムでも取り上げたように、優遇税制の整理と法人税率の引き下げを組み合わせた税制改革は、2008年の大統領選挙の前から論点になっていた(「法人税引き下げが米大統領選の争点に」参照)。オバマ大統領自身も、こうした方向性に賛同する姿勢を示していた経緯がある。

 今回のオバマ政権の提案でも、税制改革の実現に向けた道筋が不透明な点に変わりはない。税率の引き下げには異論が少ないにしても、優遇税制を整理するとなれば、企業の間で明白な損得が生ずる。その差配をどうするのか。オバマ政権は沈黙したままだ。

 現在の米国の法人税制には、優遇税制の利用度合いの違いなどから、企業の税負担に大きな差が生じている。流通大手であるターゲットの実効税率は37.2%だが、前述のイメルト氏が率いるGEになると、その実効税率はわずかに3.6%。「GEの税務部隊は世界最強(ニューヨーク・タイムズ紙)」と言われるほどである。こうした現実と向き合わなければ、抜本的な改革はおぼつかない。

バランス重視の規制改革は迫力不足

 規制改革はどうだろう。オバマ政権は既存の規制を見直す体制を整え、不必要に負担の大きな規制を改廃するとしている。環境規制や金融規制など、オバマ政権下での規制強化の流れに対する企業の懸念を考えれば、まさに「企業シフト」の典型と言えそうな政策である。

 もっとも、今回強調されている規制改革の方針は、転換というよりも原点回帰の色彩が強い。当初からオバマ政権の規制行政は、単に規制の強化を目指すのではなく、規制のコストと便益を客観的に分析し、適度な規制の度合いを模索する点に特徴があった(「オバマ、企業規制の鬼に?」参照)。今回の規制改革の発表に伴って、オバマ政権は規制行政の基本方針を定めた行政命令を更新しているが、これも就任早々に開始されていた検討作業の結果に過ぎない。

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