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「学ばない日本」に明日はない

莫邦富の提言1:中国で成功したくば“オオカミ”を友にせよ

  • 横田 正仲

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2011年3月1日(火)

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 本連載の第4回目は、日本能率協会コンサルティング中国法人の董事長・総経理である横田正仲氏と、中国人ジャーナリスト・莫邦富氏との対談をお届けする。

 中国をはじめとする新興国の市場開発で、他の外資系企業や現地企業との攻防で苦戦を強いられる日本企業が多いなか、劣勢を跳ね返し、戦いに勝ち抜くにはどうすればいいのか。25年にわたり日中を往き来しながら、日本企業の中国戦略などをテーマに精力的に取材を続けている莫氏が提言する。

 横田正仲氏(以下敬称略) 世界の工場から世界最大の市場へと、中国は大きく変化しています。日本企業は、国内市場が停滞する中、中国をはじめとする新興国で勝負をしていかざるを得ません。しかし、中国市場で絶対成功できる“正解”というものはなく、それぞれの企業が自社の最適解を探さなくてはならないのも事実です。

莫邦富氏

 莫邦富氏(以下敬称略) 中国のビジネスの現場で一番感じるのは、日系企業が高い目線から市場を見下ろしているということです。自社のブランドは認知されている、洗練されているからそのままでいいという発想なんです。よほど世界的に知られているブランドでなければ、日本を1歩出た瞬間にブランド力は“ゼロ”と考えるべきです。多くの日系企業が犯した過ちはそこです。

 横田 確かに「良いものを作れば売れる」というのは、日系企業が最も陥りやすい失敗のパターンです。良い製品なのは当たり前で、そこにどんな付加価値をつけ、どう売っていくかを考えるべきなのに、それができていない。

  その通りです。日本以外の外資系企業は中国市場を非常によく研究しています。1つ例を紹介しましょう。ある時、中国内陸部にある地方都市の近くを車で移動していた時のことです。休憩するため、高速道路のサービスエリアに入ったら、ケンタッキーフライドチキンが出店していました。言わずと知れた、米国ケンタッキー州を本拠に世界中でグローバル展開している外食チェーンです。

 その店では、氷水が自由に飲めるだけでなく、無料のティッシュや携帯電話の充電サービスまで用意されていたんです。朝食メニューを見ても、おかゆと春巻きと揚げパンがセットになっていました。現地の人たちが好むメニューで地方市場に殴り込みをかけているのです。日本で言えば、味噌汁とおにぎりが出されるようなものですね。天下のケンタッキーフライドチキンが、こんな小さな町で、こんな地道な努力をしている。

「良いものを作れば売れる」という思い込み

 日本の企業もこうした作戦を研究する必要があります。こうしたソフト面での付加価値は、中国でも今後ますます重要になっていくでしょう。もちろん、このような努力をしている日本企業もあります。たとえば、味千ラーメンです。店内に入ってメニューを見ると、たいていの日本人が驚くと思います。ラーメン屋なのに、日本のB級メニューをなんでも売っている感じです。

 「良いものを作れば売れる」という思い込み、「日本ブランド」信仰は、特に製造業でまだまだ強い。たしかに日本製品は安心だという思いは中国人にもあるので、部品レベルで見ると日本のブランドはまだ強い面があります。たとえば中国の自動車も、ボンネットを開けると日本メーカーのエンジンが出てくるわけですから。

横田正仲氏

 横田 ただ、本当に現地の需要に適応する商品を作っているかというと、そうではない。

  これも目線の問題です。日本の携帯電話端末の失敗など、まさに代表的な例ですね。多くの日系企業の目の付けどころが「富裕層」にある。日系企業は「良くて高いもの」を作り、中国のハイエンドな消費者層だけを狙っています。しかし現在の中国は、急速に一般消費者の所得が伸びているから、ハイエンドのすぐ下の層や中間層の市場がどんどん拡大している。つまりボリュームゾーンです。そこが狙い目なのに、日系企業は対応していないんです。車だって、ようやく小型車を慌てて作るようになりましたが、これまではハイエンドだけですよ。こういう問題については今まで口を酸っぱくして言ってきたんですが……なかなか耳を傾けてくれませんでした。

 今、中国で成功するには、松竹梅の松だけでなく、竹の消費者層を視野に入れなくてはなりません。かつての日本は、「良い製品を安く」をモットーにしていたのに、その原点を今は忘れています。何度も言いますが、高い品質のものを高い値段で提供するのは当たり前なんです。現地の需要を取り込んで付加価値を付けるか、安く提供できるようにするか、考えるべきでしょう。

コメント9件コメント/レビュー

コメントの中に、中国人に対して失礼な物言いをして平気な方がいらっしゃる。言いたいことはわかりますが、もっと他の言いようがあるでしょうに。私は中国在住5年目になりますが、上から目線の日本人もいればそうじゃない人もいる。学ぶ気などからっきしない人もいればそうではない人も。中国人だって13億皆が同じではないのです。まとめて一枚のレッテル張りをするところですでに理解の足りないことが見え見えです。日本人は馬鹿正直に態度に言葉に表しすぎです。それではうまくいくものも頓挫します。欧米人ははっきりYES、NOを言うといいますが、私の知る限りでは、ビジネスにおいては相手の感情にもとても敏感です。特に体面、面子を重んじる中国人に対してはよく勉強してます。日本人って、顔つきが似てるだけでそのへん、怠けていませんか。全然違うのですよ、彼らとは。もっと大きく構えて学ぶことがやはり必要ですよ。(2011/03/01)

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いただいたコメント

コメントの中に、中国人に対して失礼な物言いをして平気な方がいらっしゃる。言いたいことはわかりますが、もっと他の言いようがあるでしょうに。私は中国在住5年目になりますが、上から目線の日本人もいればそうじゃない人もいる。学ぶ気などからっきしない人もいればそうではない人も。中国人だって13億皆が同じではないのです。まとめて一枚のレッテル張りをするところですでに理解の足りないことが見え見えです。日本人は馬鹿正直に態度に言葉に表しすぎです。それではうまくいくものも頓挫します。欧米人ははっきりYES、NOを言うといいますが、私の知る限りでは、ビジネスにおいては相手の感情にもとても敏感です。特に体面、面子を重んじる中国人に対してはよく勉強してます。日本人って、顔つきが似てるだけでそのへん、怠けていませんか。全然違うのですよ、彼らとは。もっと大きく構えて学ぶことがやはり必要ですよ。(2011/03/01)

 莫氏は、宋文州よりは幾らか増しだと思ってきたが、やはり中国のペースに引き込みたいという意図が強くなってきたように思う。 他の雑紙であったか、莫氏は中国人が日本の土地を買い占めていると大騒ぎするなという趣旨の寄稿をしていた。それは、今後買い難くなるのだから中国人としては当然だろうが、威圧的な表現だった。 この対談でも、日本人の目線が高いと言っているが、日本人くらい現地に溶け込もうと努力する国民はいないのでないか? (勿論日中双方に例外的な人物はいるだろうが) 中国は、以前は熱烈歓迎と揉み手をせんばかりだったが、今や経済力・軍事力を背景に中国並びに中国人が日本並びに日本人に対して威圧して来る時代となった。 日本人は脅せばどうにでもなるとロシアの高官がアメリカの何処かで講演したという記事を読んだことがある。 そういう印象を与えたのは今までの日本人特に外交にあたる日本人の覚悟と接し方に問題があったのであり、これからは、世界にはオオカミがウヨウヨしていると認識した上で行動しなければならないだろう。 (2011/03/01)

コメントを見ると確かに学ぶ姿勢のない日本人も少数ながらいることは事実です。ですが「とても参考になった」・「ぜひ読むべき」が60%を超えていることからわかるように、われわれ日本人にはまだ「学ぶ」気持ちがある。日本人の巻き返しに期待できる、そう信じています。(2011/03/01)

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後藤 忠治 セントラルスポーツ会長