• BPnet
  • ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版

財源確保に「たばこと酒」の増税を

年間1兆5000億円近くを捻出できる試算

  • 川村 雄介

バックナンバー

2011年3月30日(水)

  • TalknoteTalknote
  • チャットワークチャットワーク
  • Facebook messengerFacebook messenger
  • PocketPocket
  • YammerYammer

※ 灰色文字になっているものは会員限定機能となります

無料会員登録

close

 今回の大災害の被害総額は、政府、民間とも20兆円程度の巨額に上るものと予想している。しかし、単なる復旧のみならず、被災地の真の復興、あるいは創生という観点からは30兆円まで想定しておく必要があるかもしれない。1923年の関東大震災では、現在の貨幣価値に直すと総額50兆円以上を要したのである。8年間にわたり毎年、国家歳出の6~7%に相当する金額を出費したという。

 さて、復興資金は2段階で考える必要がある。第1段階は向こう2年以内の「復旧」資金だ。これには、まずは予算組み換えによるやり繰り、補正予算や借り換え国債の前倒し発行などで対応していくべきだろう。このレベルはなんとか対応できそうだ。

 問題は、本格的な「復興」「創生」に必要な10兆円単位の財源である。この調達について、大和総研は「復興基金」を創設し、この基金に「復興基金債券」と「復興連帯税」で資金を注入する方法を提言している。

日本人全員が被災地の痛みを分かち合う

 復興基金債券とは、国が償還を保証した財投債に類似した性格を持つ債券で、約1500兆円の家計金融資産と機関投資家などによる投資を活用しよう、との発想だ。復興基金債券には償還方法や手数料等に工夫を加えた複数種類のタイプを用意することになるだろう。

 一方、復興連帯税は、被災地の復興に使途を絞り込み、課税期間を限った一種の目的税である。税源にこだわる必要はないが、「国民全体で少しずつ負担していく」「日本人全員が被災地の痛みを分かち合いながら、1日も早い復興を実現する」という理念に照らすと、消費税の一定の引き上げが最適であろう。

 消費税であれば、事業者は仕入れ税額控除ができるので、企業活動への悪影響を緩和することができる。1%の消費税率アップで年間2兆円以上の増収となる計算だ。これを3年間に限って実施しても7兆円の財源確保が可能となる。5年間続ければ12兆円となる。言うまでもなく、被災地の企業や住民には負担を求めない仕組みを工夫して行く必要がある。

 復興連帯税に加えて、所得税やほかの特別税などへの緊急増税も検討していくべきかもしれない。しかし、その場合、法人税増税は避けるべきだろう。今回の災害は日本企業全体への大きなマイナスも想定されている。企業活動の活性化が不可欠であるし、仮に法人税増税を行っても企業収益の減退が懸念される中で効果は望めまい。

嫌煙社会の中でいささか救われた気持ちに?

 むしろ、この際、たばことお酒への時限的な災害復興増税を真剣に検討すべきだと思う。復興連帯税の一種と位置づけても良い。これらは嗜好品でもあり、企業活動や個人消費への影響も最小限に食い止められるのではないか。不要不急で財政物資ともいうべきたばこやお酒に、火急の必要資金を担ってもらうのである。

 たばこからの国税収入は年間1兆円程度である。現在では、1本当たり、国税だけでも5円30銭強のたばこ税と82銭のたばこ特別税(旧国鉄と国有林事業の負債を負担する)がかかっている。

コメント63

「復興への道」のバックナンバー

一覧

日経ビジネスオンラインのトップページへ

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます

レビューを投稿する

この記事は参考になりましたか?
この記事をお薦めしますか?
読者レビューを見る

コメントを書く

ビジネストレンド

ビジネストレンド一覧

閉じる

いいねして最新記事をチェック

日経ビジネスオンライン

広告をスキップ

名言~日経ビジネス語録

定年後の社会との断絶はシニアの心身の健康を急速に衰えさせる要因となっている。

檜山 敦 東京大学先端科学技術研究センター 講師