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自立する東北目指して、被災地を総合特区に

三菱総研 小宮山理事長からの提言(下)

  • 小宮山 宏

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2011年4月19日(火)

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前回は、復興についてはグランドデザインの策定よりも地域の最適化を目指したプラン作りと、現場同士の議論が大切と指摘。今回は、被災地の自立を促すための提言をまとめた。
小宮山 宏(こみやま・ひろし)
 三菱総合研究所理事長
 1944年12月15日生まれ。67年東京大学工学部卒業、72年東京大学大学院工学系研究科にて博士課程修了。
 88年より東京大学教授、同大学院教授などを経て、2005年に同大学総長に。2009年4月に同大学総長顧問に就くと共に、現職に就任した。
 工学博士。専攻は化学システム工学、地球環境工学、知識の構造化。
 主な著書に、「地球持続の技術」(岩波新書)、「知識の構造化」(オープンナレッジ)、「東大のこと教えます」(プレジデント社)、「『課題先進国』日本」(中央公論新社)、「知識の構造化・講演」(オープンナレッジ)、「Vision 2050:Roadmap for a Sustainable Earth」(Springer)、「低炭素社会」(幻冬舎)など多数

 東北地方が復興を遂げるためには、その地方自治体と民間が具体的なプロジェクトの主導権を握ること、それを国が補佐することが必要です。 国にできる補佐とは、つまり、資金の融通です。

 今回の損失額は、16兆~25兆円と現段階で国は試算しています。だぶん、20兆円規模の投融資が復興には必要になるでしょう。

 しかし、従来のような方法では、その瞬間だけ地方の一部が潤い、そしてあっという間に枯渇します。今、日本には600万人の土木作業従事者がいると言われています。民主党政権の「コンクリートから人へ」政策のため仕事を失っていた彼らは、今、復興事業に注目しています。

 確かに、建設事業は即効性があるものです。必要な側面があることは私も否定しません。政治家や地域の首長も、一時的に雇用が確保でき、資金が地元に落ちるこういった事業に乗りやすいでしょう。

従来型の復興事業では立ち行かなくなる

 従来のやり方を踏襲すれば、高速道路は復活し、港にコンクリートが施工され、高い防潮堤が築かれます。建造物は目につきやすいので、力強く復興したという雰囲気を醸し出します。ですが、そこでおしまいです。復興事業というカンフル剤が底をついた時、地域の地獄が始まります。失業率は上がり、税収は下がったものの、各地に無用なハコモノが並び、維持費にも四苦八苦するという事態が待ち受けています。

 こういった悲劇を防ぐにはどうしたらいいか。

 ここで、国の出番です。

 まず、東北全体を総合特区に指定する。そして、相当な権限を移譲する。地域が主体になったことで、復興に成功した例はいくつもあります。

 例えば、徳島県の上勝町は、町と町民が主体になって、葉っぱを料理のつまとして出荷する「いろどりビジネス」を成功させました。

 町は、潤うと同時に、町民は健康になりました。高齢者が多いのは他の地方と同じですが、彼らは自分で山に入って葉っぱを集めてくる。上勝町の高齢者1人当たりの医療費は、県で最も少ないと言います。

 地方が考えて、自由に活動をさせていく。どぶろく特区、医療特区、さまざまな規制を大幅に緩和してしまうのです。

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