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放射能対策、「地下水」を忘れてないか

郡山といわきは「深井戸」整備を――産総研がシミュレーション

2011年4月13日(水)

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 原発事故を契機に放射性物質の拡散問題から目が離せなくなった。大気や海水、水道に加え、地下水も汚染の有無が気がかりだ。専門家による最新の分析によると、福島では制限区域の外でも一部注意を要する場所があるという。

 東日本大震災の被災地では、ライフラインの1つである水道が今でも使用できないところが多い。地震の大きな揺れで水道管自体が破断して配水が止まっただけではない。蛇口から水が出ても、福島第一原子力発電所の放射能漏れ事故の影響で、放射性物質の濃度が通常より高い例もある。

 被災者が日常的に使える水が少なくなれば、衛生面が脅かされる。工業用水が枯渇するようだと、復興に向けた企業活動の遅れにもつながりかねない。そうした中で改めて注目されるのが地下水の利用だが、取水には安全性を十分に考慮する必要がある。

分水嶺と規制区域の境界がほぼ一致

 産業技術総合研究所(茨城県つくば市)の地下水研究グループは今回の大震災を受け、原発の放射能漏れ問題を抱える福島県を中心に、普段は人の目に触れることのない地下水の流れ方をシミュレーションした。

 地下水の流れも、河川などと同様に地形の高いところから低い方へ流れる。福島原発を中心に考えた場合、阿武隈高地から太平洋に向けて傾斜があるため、地下水の多くは海の方向へ流れていくわけだ。

 福島原発は海岸付近に位置しているうえ、建設地盤の段丘堆積物の中を地下水が透過する速さは1日当たり1センチメートルと、さらに深い地層よりも相対的に速いという。このため、原発施設に近く、大気中の放射性物質の濃度が高い地域の地下水の放射能汚染が広域まで広がる可能性は低いという。

 気がかりなのは、水の流れの起点となる、いわゆる「分水嶺」である阿武隈高地の山頂付近が、政府が定めた「屋内退避指示区域(半径20~30キロメートル圏)」の外周とほぼ一致することだ。空中を舞う放射性物質が降雨で地下にしみ込み、比較的浅い場所にある地下水に影響を及ぼすリスクが考えられる。

 特に、制限区域の境界地点での、地下水が流れる方向は要注意だ。およそ北半分の境界では原発に向かって内向きの流れがある。このため、制限区域内の地下水が外側に流出する可能性は低く、中通りの北側に位置する福島市につながる地下水への影響は考えにくいという。

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「放射能対策、「地下水」を忘れてないか」の著者

松村 伸二

松村 伸二(まつむら・しんじ)

前日経ビジネス副編集長

日刊紙の日本経済新聞、リアルタイム速報の日経QUICKニュース(NQN)、テレビの日経CNBC、週刊誌の「日経ビジネス」と、日経グループの様々な媒体を渡り歩き、マーケット記事を中心に情報発信を続ける。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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