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電力政策、「経産省頼み」からの脱却を

失われた20年の「ゆでガエル」、今こそ「外科手術」の時

2011年4月19日(火)

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 2011年4月11日に東日本大震災復興構想会議の設置が閣議決定され、14日に第1回会合が開催された。

 大震災という未曽有の危機に対して、政府はこれまで「止血」に全力を挙げてきた。それは危機管理対応という観点から当然のことである。その対応が十分であったかはともかく、1か月が経過して原発問題を除けば「病状」が安定してきたことから、そろそろ「止血」は終えて本格的な「治療」を行う段階に入るということだろう。

 「全国民の英知を結集」して、その「治療」の基本方針を示すのが、復興構想会議の役割なのであり、大いに期待したい。

元に戻す復旧ではなく創造的復興を

 14日の第1回会合では、五百旗頭真座長からも菅直人総理からも同様に、「元に戻す復旧ではなく創造的復興を」との発言があったようだ。全く同感である。既に東北地方では、建設会社が「人からコンクリートへ」と算盤をはじき、住宅メーカーが被災者に戸建ての営業をかけているという。以前と同じ場所に同じような住宅を、同じ機能の大防波堤を、同じ発想から都市システムを建設し直すようでは、全く意味がない。

 例えば――、

◇コンパクトシティーの発想に基づき、高台の住宅地と平野部の農地、駅前の商業地や港湾近くの工業地を分離し、それぞれで適度な集積を図る。

◇その間の移動をLRTや1人乗りEVのカーシェアで行う。

◇ソーラーファームや洋上ウィンドファームを大量導入し、電気自動車(EV)も含めて地産地消の自律分散型エネルギーネットワークを構築する。

◇さらにサマータイムを導入し、就労形態の多様化を進め、長期休暇を分散取得するなどして、社会全体で様々な負荷平準化を図る。

 我々は、被災された方々の無念さに報いるためにも、万が一、今回以上の地震や津波が発生したとしても、遥かに被害が下回るような、頑丈で安全な、みんなが快適な社会システムを、全く新たな発想で構築しなければならない。

 その際には、今回の復興を単に被災した東北地方だけでなく、未来を見据えて日本全体の大改革につなげるよう徹底的に意識すべきであろう。

 既に日本は、「失われた20年」の状態が続いている。体が重病に侵されながらも、苦くない薬を飲み続けるだけでここまできたため、残念ながら回復の見込みが高まることはなかった。いわゆる「ゆでガエル」の状態にあったわけだが、ここで意を決して「外科手術」を断行すれば、十分に完治する見込みがあると、筆者は信じている。過去の経緯や既得権にがんじがらめに縛られた社会システムを、抜本的に「創造的破壊」するのである。

電力・原子力政策はどうするのか

 そのように考えた場合、今後の大改革の最大の焦点になるのは、原子力を含む電力政策であろう。

 今回の東日本大震災は、津波も含めた天災による直接的被害と、原子力発電所の事故に関連した2次的な、人災ともいうべき被害とが複合していることが、対応を大変難しくしている。後者は、原子力の安全神話の崩壊と計画停電に見られる安定供給義務の破綻である。

 我が国の電力政策とは、【1】地球温暖化対策のために原子力への依存度を2030年に50%近くに高める(資源エネルギー庁「長期エネルギー需給見通し(再計算)」)、【2】安定供給義務を果たすために地域独占・垂直統合の閉鎖的システムを維持するという2本柱から成るのであり、これらが双方ともに真っ向から否定された以上、抜本的な改革は不可避である。

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