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米国の財政再建は動き出すのか

わずかな共通項に望みをつなぐオバマと共和党

  • 安井 明彦

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2011年4月28日(木)

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 米国で財政運営を巡る議論がいつになく騒がしくなっている。

 4月5日には、下院予算委員会のポール・ライアン委員長が、共和党としての財政再建案を発表。10年間で4兆ドル(約330兆円)を超える赤字削減をぶち上げた。

 4月8日には、難航していた2011年度の予算審議が深夜にようやく決着。予算不成立による政府機関の一時閉鎖はぎりぎりで回避された。

 さらに4月13日には、オバマ大統領がジョージ・ワシントン大学で演説し、向こう12年間で4兆ドル(約330兆円)の赤字削減を目指す計画を明らかにした。

「政府閉鎖」の直前までもつれた予算審議

 「あと1時間で政府閉鎖」という瀬戸際までもつれた2011年度予算審議に象徴されるように、財政運営は2大政党の党派対立が厳しくなりやすい論点だ。政府のあり方に直結しており、2大政党の考え方の違いが明白になるからだ。2012年の大統領選挙が近づくにつれて、財政運営を巡る議論がますます白熱するのは必至である。

 最新の財政再建案を見ると、共和党とオバマ政権の考え方の違いは明らかだ。

 第1に、「政府の大きさ」についての違いである。共和党の財政再建案は、もっぱら歳出の水準を大きく引き下げ、「政府を小さく」することで財政赤字を減らすというもの。具体的には、2010年度に国内総生産(GDP)比で23.8%だった歳出の水準を、2021年度には19.9%にまで引き下げる。増税は財政再建の方策としては考えられておらず、むしろ2012年末で期限切れを迎えるブッシュ減税の全面的な恒久化などが提案されている。

 これに対してオバマ政権の財政再建案では、歳出削減に増税を組み込わせることで「政府の大きさ」の縮小度合いが緩和されている。4兆ドル(約330兆円)の赤字削減策は、2兆ドル(約166兆円)の歳出削減と1兆ドル(約83兆円)の増税、そして1兆ドル(約83兆円)の利払い費縮小で構成される。ちなみに、ここで利払い費が縮小するのは、歳出削減と増税で赤字が減るために国債発行額が抑えられるからである。

 第2に、「政府の役割」に関する考え方の違いがある。オバマ政権の提案は、所得再配分などでの政府の役割を重視する色彩が強い。提案されている増税は富裕層に限られており、中間層を含めた幅広い負担の分かち合いは視野に入っていない。これに対して共和党の再建案は、富裕層に対する増税を考えていないだけでなく、メディケイド(低所得層向け公的医療保険)やフードスタンプ(低所得者向け食料費補助)など、低所得層に対する歳出を厳しく抑えようという意図がにじみ出している。

 「真剣さや勇敢さのかけらもない」

 4月13日の演説でオバマ大統領は、共和党の財政再建案をこう酷評した。これから共和党との話し合いに進もうとするにしては、あまりにあからさまな批判である。同席した共和党のライアン委員長は、「とても悲しく不幸な展開だ。(大統領は)橋を架けようとするどころか、井戸に毒を投げ込んだようなものだ」と怒りを露わにした。

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