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企業の支援「ロジとマッチング」が足りない

なくならない「避難所格差」、支援情報の一元化を急げ

2011年4月25日(月)

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 東日本大震災の被災地域では復興に向けての動きが始まっているが、依然として10万人以上が避難所で暮らすなど、厳しい生活を強いられている被災者もまだ多い。被災地の支援活動を続けているユニセフ・ソマリア事務所の國井修氏に、避難所の状況や企業からの支援で求められているものなどを聞いた。

 國井氏は3月21日掲載のインタビュー『お母さんと子供に「安息の空間」を』に登場後、被災地入りし、現在は宮城県災害保健医療支援室のアドバイザーを務めている。

(聞き手は谷口徹也=日経ビジネスオンライン副編集長)

―― 前回のインタビュー後、被災地入りされました。

國井修氏

 宮城県の主要な町の避難所を回ってきました。私は内科医ですが、今回、医療活動には直接従事せず、今後の支援活動につなげるコーディネートに徹してきました。

 想像していた以上に、被災者が身を寄せている避難所の状況は厳しい。ある学校の体育館では、入口を入ってすぐのところにあるホールに毛布を敷いて寝ていたり、飲みかけの缶コーヒーも置くテーブルがなく、下駄箱に置いていたりしました。衛生面での手当てがまだ不十分でした。

―― 全国から支援の手が差し伸べられています。それでもまだ、不足が大きいということですか。

 支援物資は続々と届いています。徐々に行き渡りつつあるようですが、新たな問題も出てきました。1つは、必要とされる物と、届いている物にギャップがあること。そして、もう1つは、避難所がある地域によって、物資の充足度合いに格差があることです。

 例えば、ミネラルウオーターは全体の必要量に対する充足率はかなり高いと思います。ただし、いくつかの避難所では現在の需要に対して届いた量が多すぎ、入口の回りに積み上がって人通りを妨げていました。その一方で、まだ飲料水が足りない避難所もある。カップラーメンなどでも同じような現象が見られました。

 時間が経つにつれて、被災者の方々が置かれた状況や環境、心境は変わっていきます。とにかく空腹を満たすために食料が必要だという段階を過ぎれば、心理的な充足につながる暖かい食べ物などが欲しくなるわけです。非常食的なものではなく、家庭の料理に近いものをいかに提供するかが課題になってきます。

支援マップで「Who、Where、What」

 別の言い方をすれば、命をつなぐための炭水化物から、生活の質を上げるためのタンパク質やミネラルの補給を意識した食料への移行ということになります。避難所暮らしが長くなって疲労がたまってきたことや、寝床の具合が良くないことなどが原因となって、口内炎や皮膚炎、床ずれなどで苦しむ被災者が増えてきています。食事の改善は重要な課題です。

 震災当日から今も変わらず不足気味なのは、紙おむつや、洗濯ができないため事実上使い捨てになっている下着類、片付けなどの活動を始めた人や通学を始めた子供たちの長靴などです。

―― そう考えると、ライフラインが復旧してきても、支援物資を的確に行き渡らせるのはなかなか難しいということですね。

 支援物資があふれている避難所と、いまだに足りない避難所が混在する背景には、被災地が広すぎ、ロジスティクスが間に合っていない面が大きい。何しろ避難所だけで2000カ所以上ありますし、山間いで交通が不便な所も多い。暮らしている被災者が1000人単位の大きな所から、10人、20人の小さな所までさまざまです。これらのニーズをまんべんなく充足させるのは、大変困難なことだと思いました。

 正直に言うと、ある程度、小規模な避難所にいる被災者の方にはどこかに集まってもらって、1カ所の規模を大きくした方が支援活動は充実させやすい。しかし、被災者の方は地元に愛着を持っていて、なかなか離れたがりません。高齢や寝たきりで、動こうにも動けない方もいらっしゃいます。

 また、壊滅的な被害を受けた病院や保健所が多いですから、地域で医療活動を充足させることも難しい。だから、できるだけ早く巡回診療が行き渡るよう仕組みを整える必要があります。

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「企業の支援「ロジとマッチング」が足りない」の著者

谷口 徹也

谷口 徹也(たにぐち・てつや)

日経ビジネスベーシック編集長

日経ビジネス、日経情報ストラテジーの記者などを経て、2002年日経ビジネス香港支局特派員、07年日経ビジネス副編集長、09年日経ビジネスオンライン副編集長。12年日経エコロジー編集長。14年ビジネス局長補佐。16年1月から現職。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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