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復興資金を手当てするため「復興連動債」を提案する

被災地も個人投資家も金融機関も政府も得をする一挙4得の案を考えた

  • 吉本 佳生

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2011年5月10日(火)

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 消費税増税は、震災復興の財源として不適切である。もし増税するなら、税率を一気に10%引き上げるべきだ。小幅の引き上げでは、増税分を価格に転嫁することができず、つらい思いをする中小・零細企業、商店が続出する。一方、消費税率を一気に10%引き上げたら、消費不況はますます深刻化するだろう。復興は遠のく。

 従って、復興のための財源は、どうしても国債発行に頼らざるをえない。しかし、ただでさえ国債の発行規模が大きい日本で、さらに発行する国債がきちんと消化されるだろうか? 強い不安を抱く人たちが出てくる。直接、日本銀行に引き受けさせるべきだ。いや、日本銀行に直接引き受けさせてはならない。そんな論争も起きている。

 工夫がなさ過ぎる。政府お抱えの経済学者か誰かが、何か良い工夫を思いつくだろうと信じて黙っていたが、どうも想像力が足りないようだ。そこで、私も無い知恵を絞ってみた(知恵がないことを自覚し、それでも、絞り出す努力が大切だ)。例えば、次のような国債の発行はどうか。名づけて「復興連動債」である。

復興連動債は、個人向け国債の特別版

(1)10年物の個人向け国債の改良型をベースに考える。だから、発行日や利払日などは、個人向け国債に準ずる。震災復興のための、特別版の個人向け国債だと思ってもらっていい。一気に発行するのではなく、復興資金が必要な間、断続的に発行する。

(2)発行前に、震災がどの程度復興しているかを客観的に計る指標を選ぶ。それほど厳密なものでなくていい。ただし、正式に発表できる、信頼度が高い指標であることが大切だ。例えば、被災地域の人口でもいい。それが、被災地に人が戻り始め、ある人数に達したら、復興が一段落したとみなす。それまでは復興期間と見る。

 一つの指標で復興の程度を評価するのはおかしいことだ。だが、これはカネ集めのための方便だ。お許しいただきたい。……もちろん、指標の選び方も含めて、この辺りには工夫の余地がある。

(3)新規発行時には、原則として、個人だけが購入できるものとする。だから、個人向け国債の特別版なのだ。

 金利は変動金利とする。その水準は長期国債の金利(つまり長期金利)をベースに決める。ただし、個人向け国債のように長期金利から一定幅を引くのではなく、逆に、長期金利に常に一定の上乗せをする。上乗せは少しでいい。後に述べるように、中途換金が不利にならない工夫をすれば、それでも効果は十分にある。

 投資家には、すごく有利な金融商品になる。今の10年物個人向け国債は、不人気ではあるが、実はかなり有利な商品だ。金利が変動するため、インフレに強く、中途換金時にも元本が確保される。他方、一般的な長期国債は、中途換金時に元本割れが生じるリスクがある。それ以上に有利な復興連動債が、魅力的な投資商品になるのは当然だ。その上、後で述べるように、発行時に買った個人投資家が中途換金をする時には、最初に投資した元本金額より高く売れる工夫も用意した。

(4)復興連動債の償還期限は、上記(2)で定めた復興期間に連動させる。まず、満期は10年とする。これを30年でもいい。ただし、その満期に合わせて、金利を決定するための基準を選ぶ。満期10年の復興連動債なら、10年物の長期国債の金利を基準にする。

 そして、便宜的に定めた復興期間が終了したら、自動的に復興連動債を早期(繰上、期限前)償還することにしておく。復興活動に一定の成果が見られたところで、この資金を返すのだ。例えば被災地の人口がX万人に達したら、その直後に当たる復興連動債の利払日に、2つの方法で早期償還する。

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